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第10話 ページ11






『君が彼を背負って病院まで連れていって。』

「ドラケン君は大丈夫なんですか?!?!」

『大丈夫、応急処置は済んでるよ。』



私の言葉を聞いた彼は、咄嗟にドラケンくんと呼ばれたその人に近付いた。確かに傷は浅くはないけど、致命傷でもない。今すぐ病院に行けば傷跡も残らないはずだ。私は手入れじゃ治らないなんてやっぱり人間は不便だな。なんて場違いなことを考えていた。

ドラケンくんは彼を"タケミっち"と呼び、「悪ィ」と言って頭を下げた。土砂降りの雨がドラケンくんの頬を伝って血溜まりの中に滴り落ちる。止血足りなかったかな。タケミッチくんはドラケンくんの怪我を見て、悔しそうにその顔を歪めた。大丈夫かな?と彼らを見守ることおよそ数十秒。タケミっちくんがドラケンくんを背負い走り去った。もう大丈夫かな、と安堵の息を零し、私はいつの間にか傍にいた堀川に話しかけた。

「あれ?あの男は?」「どっか行っちゃいました!」「そっか〜」

乱闘騒ぎのなか私たちは緩く会話を交わす。堀川は一息つくと、私を横抱きして安全なところまで運んでくれた。べっとりと額に張り付いた髪の毛をかきあげて堀川を見上げると、堀川は優しく微笑んで私を見た。



『2人とも、大丈夫かな?』

「主さんが入念に止血してくれたし、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。」



私を諭すように優しい声色でそう言ってくれた堀川にありがとうと言葉を返す。そもそも、何故学生である彼らがあんな修羅場にいたのだろうか。私がいた時代より200年ほど昔だったとしても、とっくの昔に戦争は終わっているはずなのだ。彼らは一体何の為に戦っていたのか。今の私にこれらの疑問を解決する術を持っていない。何せ、私は彼らの、彼らは私のちゃんとした名前すら知らないのだから。













───なんて、思っていた日もありました。



『まさか三ツ谷くんもあの場にいたなんて、』

「それ俺のセリフなんだけど?」



ある意味特殊すぎたあの日からおよそ3日後。三ツ谷くんから「今から会える?」という旨のメッセージが来た。簡潔に会えるよと返信すると、すぐに電話がかかってきて武蔵神社まで来て欲しいと言われた。私は堀川に三ツ谷くんとのやり取りをみせ、ガラケー見ずらいね〜なんて話しながら指定された場所までやってきた。


ここで、冒頭に戻る。





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雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (10月5日 17時) (レス) @page25 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年8月26日 22時

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