九話 ページ10
××
宙「haha〜！Aちゃん先輩、こんばんは！」
『こんばんは。ちゃんと挨拶できて偉いね』
カフェを出た後、すぐに二人と別れた私は目的もなくES内をさ迷っていた。英智に暇だからなにか手伝おうか？なんてメッセージを送っても今日も休みなさい、と言われるばかり。
おそらくあんずから今日のことを聞いて英智なりに私を気遣ってくれたのだろうけど、弱ってる状態でそう優しくされると心揺らいじゃうからやめて欲しいな、
なんて考えながら歩いていたら宙が話しかけてくれた。
いい子いい子、なんて言いながら頭を撫でると、宙は嬉しそうに目を細めて「ありがとうございます！」と言って私の手に擦り寄った。
宙「Aちゃん先輩、疲れた色をしてるな〜」
『ふふ、そうかな？』
宙「hihi〜♪
宙たちは先輩を傷つけたりしません！なので、そんなに怖がらないでほしいな〜？」
宙のその言葉に驚き目を見開く。
…………まあ、うん、そうだよね。
みんなに「明るくなったね」って言われるようになった時でも、「大丈夫です？」なんて声を掛けてくれた宙に今更隠し事なんて出来ないよね。そう確信した私は人のいない場所まで移動してから今回の件について大まかに説明した。
宙は次第に表情を曇らせて、話をし終えた頃には号泣……とまではいかないけど泣いていた。
泣かないで、と言うと「泣いてません！」なんて司と同じことを言うもんだから、咄嗟に私は宙を抱きしめた。
宙「そ、宙は、泣いてないな〜。泣いてない、です！けど、お別れは悲しいです」
『…』
宙「宙はまだ、せんぱいのことを知りません、ゲームだってまだ、一緒にしてません！」
『…』
宙「っそ、それでも、先輩の色が晴れるなら、宙は止めたりしません！」
ぎゅぅうう、と強く私の服を掴みながらそう言い放った宙は「宙はいい子なので、我慢します！」と付け加えて私から離れていった。
こんなはずじゃなかったんだけどなぁ、なんて、今更後悔しても時すでに遅し。
私は「ご、ごめんなさい…！涙がっ」なんて言いながら無理に笑う宙をさっきよりも力強く抱きしめる。
泣かないで、悲しまないで、
私が幸せになるのに、君たちが不幸せになる必要なんてないのだから。
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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
