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二十三話 ページ24

××










『!……そんなことが、』



渉「ええ、報告するか否か迷ったのですが"包み隠さず"という貴方の言葉を守らせてもらいました。」











急に電話なんてしてどうしたんだろう?なんて思っていたら、渉が「報告したいことがあります」と言ってトーンの低い声で話し始めた。



簡潔に内容をまとめると宙が泣いていたらしい。経緯としては、夏目たちに嘘をつくのに罪悪感が募り、私に相談しようとしたけれどそれも結局出来ずに不安だけが募ってしまったという。



その話を聞いた私が最初に感じたのは後悔の念。元来、真っ直ぐで嘘がつけない優しい性格の宙に隠し事なんて真似出来る訳がなかった。



それを知ってた癖に大丈夫だ、なんて軽く考えて我慢させ、泣かせてしまったのは私の責任だ。



そう思うと同時に司と嵐のことも気がかりになってきた。



後輩がこんなにも苦しい思いをするくらいなら私が全てを我慢して今まで通りを演じた方が良いのではないか、なんてことも考え始めていたら、



私の思考を見透かしたように渉がため息をついた。












渉「貴方が苦しむ道など、捨ててしまいなさい。」



『っ……で、でも』



渉「後輩が苦しむくらいなら私が、とでも思っているのでしょう?貴方はとても優しい人ですから。」











責める訳でも、怒る訳でもなく、ただ子供を諭すようにそう告げられた言葉に私は何も言い返せなかった。私が迷っていることを察した渉が「貴方はどうしたいのですか?」なんて聞いてくる。



そんなの決まってるよ。なんて思って声に出そうとしても何故か喉の奥に突っかかって上手く言葉が出ない。どうも私はこの少しの間で自分の本心すら分からなくなってしまったらしい。



逃げたいのか、みんなと一緒にいたいのか、そんな簡単な二択でさえ瞬時に選べなくなっていた。



誰かに言われないと何も出来なかった頃の自分を変えたくて必死に突っ走って来たというのに、成長するどころか更に悪化したなんてなあ……。



なんて考えていたら、心配そうに眉を下げたママが私の顔を覗き込んだ。











斑「例えAさんがどんな選択肢を選んだとしても、ママ達は君を応援するぞお。






…だからどうか、


自暴自棄にはならないでくれ。」











ママは「約束だぞお?」と付け加えて弱々しく笑った。






××

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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます!とても励みになります!!不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる!!お話もとても面白いので更新楽しみにしてます!頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるくてぃー | 作成日時:2023年2月12日 22時

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