二十二話 ページ23
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宗｢すまなかった。まさか君が起きてくるとは思わなかったのだよ。｣
『ううん。私がレオの存在を確認せずにドアを開けたせいだよ。だから………ごめんね。』
申し訳なさそうに眉を下げる宗にズキリと心が痛む。私が感情を繕うようにニッコリ笑って謝罪の言葉を紡ぐと、隣にいたママが優しく私の方を抱き寄せた。
宗は渉に報告する為なのか、スっと携帯を片手に席を立ち部屋の外へと出ていってしまった。
レオと思いがけないエンカウントをしてしまってから約一時間。今の今まで、私は温もりにしがみつきながら泣きじゃくっていた。涙がおさまってきた頃には目はパンパンに腫れ、声は酷く枯れていた。
ああ、流石に泣きすぎたな〜なんて考えながらママの腕の中で少し冷めたホットミルクをちびちび飲んでいたら、後ろから｢Amazing！おアツいですね〜！｣なんて声が聞こえてきた。
突然意識の端に現れたその声に驚き、勢いよく振り返る私とママ。
視線の先には携帯の画面をこちらに向けたまま壁にもたれる宗が不機嫌そうに目を伏せていた。
『わたる……？』
渉《ふふ、少し声が枯れていますね。傍にいてあげられなくてすみません。》
『謝らないで。不必要な謝罪は好きじゃない。』
渉《！ええ、そうでしたね。
…………貴方はそういう人でした。》
悔しそうにそう言い放った渉。
何故だろうか。私の周りの人達は何でも自分のせいだと思い込んですぐ謝罪の言葉を口にするんだ。
渉も宗も、ママも………英智だって、
確かに私は現状に満足はしてないけど、この人生を歩むって決めたのは過去の私。そのせいでどれだけ私が傷を負ったとしても悪いのは他の誰でもない私自身であって君たちは悪くないんだよ。
……………なんて、まあ、
そんなこと言っても特別優しい君たちは｢それでも｣って言うんだろうけどね。特に渉。
必要以上に気を遣われても更に苦しくなるだけだからやめて欲しいなあ……。
私だって渉やママのことが大好きなんだよ。ずっとずっと言ってることだけど、誰かの犠牲の上で成り立つ"幸せ"なんてそんなもの私は要らない。
大好きな人達には幸せでいて欲しいから。
………なんて、
これもきっと私のエゴだ。
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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
