十六話 ページ17
××
『……………きいてない、きいてないよ』
斑「俺も仕事が詰まっててずっとAさんと一緒には入れないんだ。その間Aさんを一人にする訳にもいかなくてなあ」
『…………。』
斑「そんな悲しそうな顔をしないでくれ、君が呼べばいつでもママはいつでも何処でも飛んでいくぞお！」
無事目的地であるフランスのパリに到着した私たちは受付を済ませ、渉とあんずに着いたよ〜って報告とパリの写真を送ると「気をつけてね」と一言。
そこから私の手を取って歩みを進めるママの背中を追いかけること約十数分。私たちはシャレオツでレトロな喫茶店みたいなところにやって来た。店内に入って何を頼もうかな、なんて話していたら「やっと来たのだね」と聞き覚えのある声が………、
勢いよく視線をあげると、そこには大きめの紙袋を片手に私たちを見下ろす宗がいた。
突然の彼の登場に困惑し固まる私を横目に、ママが「Aさんをよろしく頼むぞお」なんて会話をし始めるものだから、咄嗟に席を立ってママを逃がさないよう腕を掴み言葉を放った。
ここで、冒頭に戻る。
宗「君の芸術には少なからず興味があるのだよ。そして何より渉からの数少ないお願いだからね、少しは手を貸してやってもいいのだよ」
『………やっぱり渉も手を回していたんだね』
宗「渉も君のことを大切に思っているのだろう。間違っても彼を責めてはいけないのだよ」
いくつになっても渉は過保護だなぁ、なんて考えていたら宗が心外な言葉を言い放ったのでむっと頬を膨らませてそんなことしない、と睨みつけた。
私が渉を責める？そんなの天地がひっくり返ったって有り得ないね。渉になら騙されたって嘘つかれたって私は何も思わない、だってそれが渉が思う"最善策"だって知ってるから。
渉は理由があっても私を傷つけることなんてしない。それはママも同じ。
そもそもこんなことになったのは私が我慢出来なかったせいだし、ママにも渉にも迷惑しかかけてない今これ以上我儘言ってたら嫌われちゃうなぁ……、
そう考えた私はすぐにママから離れて自分の席に座り、口を開いた。
『ママ、ここまで連れてきてくれてありがとう』
斑「！………Aさんは強い子だなあ
ちゃんと休むんだぞお」
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みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
