｛弱虫ペダル｝勝利の女神の奮闘記 NO.7 (ページ22)

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「ゴールまで残り5km…
いけるか雛虎」

「はいいつでも」

ドクンドクンと鳴り止まない鼓動

今から始まる先輩との最後の全力勝負。
胸が締め付けられるようだ

「はあぁぁぁぁぁあああ！！」

ギアを上げペダルを踏み込む

一瞬離せたが，それだけで遅れをとる先輩ではない
瞬時に反応して横に並ばれた

「あなたを…超えて見せます！」

「そいつは…やっかいだ！」

アイウェアを外し，下ハンを握り直した先輩
また私の心臓がドクンと脈打ち，ハンドルを握る力が強くなった

「はぁ…はぁっ!残り_4km!」

ペダルを回し，タイヤが地面を削るごとに近づいてくる先輩との終わりの時間

どうして時間が過ぎるのはこんなにも早いんだろうか

先輩と出会ってからまだ1年も経ってないけど

先輩からは沢山のことを教えてもらった

“自転車の楽しさ”
まだまだ改善点はあるけど私の人生を大きく変えてくれた

“諦めない強さ”
何事にも全力で取り組む。
コツコツ積み重ねていくことで必ず結果が出ることを学んだ

「残り_2km!!」

“ライバル”
玉ちゃんや薫や渚と出会って互いに成長し合い，高め合える存在を得た

そして“仲間の大切さ”
嬉しいことを分かち合い
悲しいことがあったら励まし合い

全てを共有し合い，時には反論し合い

仲間という力強い存在を教えてくれた

「残り__1km!!」

そう呟いて顔を上げると，じわりと視界が霞んで来た