｛弱虫ペダル｝勝利の女神の奮闘記 NO.7 (ページ13)

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「あああああああああああ
寒いいいいいいいい」

学校から市街地までの下り坂
冷たい風が体に直撃してくる
いくら長袖ジャージだと言ってもこれは寒すぎるだろ

金「雛虎は寒いのが苦手なのか」

私が震えているのにも関わらず，先輩は全く寒そうなそぶりを見せていない

雛「はい寒いの嫌いです
暑い夏も嫌いですけど…
やっぱり春が1番ですよ」

春はキラキラしている

いろんな色の花が咲いて
山は鮮やかな新芽の緑で染まって

とても綺麗な季節だ

早く春にならないかなと考えながら坂を下っていくともう市街地に入る所だった

ウェルカムレースの時と同じで市街地区間はゆっくり走る
金城先輩を追い越すのは禁止だ
田園区間から本格的なレースがスタートする

♪～♪♪♪～♪♪～♪♪

無意識に出た鼻歌に先輩は首を傾げた

金「どうした雛虎
鼻歌なんか歌って」

雛「いやぁ…先輩と走れるのが嬉しくて」

ただでさえ好きな自転車
それを憧れ(・・)の先輩＿目標としてる先輩と一緒に走れるんだ
これ程嬉しい事はないでしょ！！

金「雛虎は…もし入学式で迷ってなかったらどこの部活に入る予定だったんだ？」

先輩の突然の問いにビックリする

自転車部に入ってから今まで，そんな事考えた事もなかった

雛「んー…多分入らなかったと思います
人付き合いニガテですし」

今では本当に入学式の時迷って良かったって思ってるし，先輩が助けてくれて良かったとも思っている

「そして何よりも
『俺の部活は自転車競技部だ。
良かったら体験入学の時に見に来てくれ。』
って言ってくれて良かったなぁ」

そう小さく呟いたつもりが先輩には聞こえていたようで。

金「よく覚えているな…」

そう言って先輩は恥ずかしそうに笑った