43.サヨナラファンライド ページ12
あれから時間はあっという間に過ぎ,今日は待ちに待った先輩とのレースの日
幹「コースはウェルカムレースの時と同じ60km
先に私たちのいるゴールまでたどり着いた方が勝ちです
何か質問はありますか?」
幹ちゃんの言葉に私はすかさず手を挙げる
雛「……このギャラリーはなに?」
私と先輩の後ろにいる自転車部メンバーの事ではない
「「キャー!
金城くん頑張ってぇ!」」
「金城!後輩に負けんじゃねえぞ!」
うるさい外野の事だ
幹「観客がいた方が盛り上がるかと思って!」
雛「いやさすがに多過ぎだろ」
いるのは受験が終わった先輩方だろうか
女子の先輩スカートをあんなに短くして…え?寒くないの?
雛「それと…失礼ですがあなた方は暇なんですか????」
「わぁ雛虎ちゃんキツイこと言うね
まぁ私は暇だから来たんだけど」
「暇じゃねえよ 練習がてらだよ」
「って言っても千葉駅まで電車で,駅からしか走ってきてませんけどね〜」
「よし そんなに走りたいならお前は箱根までチャリで帰れ」
「わぁ夜寒いじゃん オレ寒いの嫌い」
「ホッカイロでも貼れ」
今日も暇な箱学さんは元気で仲良しです
鳴「えっとアラキタさんとトウドウさんはどないしたんすか?」
私も疑問に思っていた事を鳴子くんが代弁してくれる
新「靖友は受験勉強で,尽八は
雛「福富さんと新開さん受験は?」
新「オレと寿一は推薦だ」
雛「うわぁお
高校も推薦,大学も推薦かぁ
一度でもいいから受験受けて欲しいですね」
新「勉強するのは嫌だな」
雛「して下さい」
勝ち組にはあの受験の大変さを実感して欲しいものだ
「金城さん対雛虎ちゃん
サヨナラ
幹ちゃんの声に私はペダルに力を入れる
「金城先輩
手加減しないで下さいね」
「あぁ」
はぁと息を吐けば白くなる
“寒いのは嫌だから天気は晴れが良かったな”
なんて思った今日だけど
雲と雲の隙間から太陽の光が差し込んでいた
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作者名:Mayu | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/manyamanya1/
作成日時:2020年11月5日 23時