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あっくんや店長さんに「食べてみ」と促されて一口ずつ味見していく。
口の中に広がる甘みやほどよい酸味と苦味につい頬に手が伸びてウットリしてまう。
正直どれも文句無しに美味しいけど、お店のためにウチが感じた素直な意見や感想を伝える。
ウチも料理やお菓子作りは結構好きやからすることは多いけどその道のプロってわけじゃないから力不足かもしれへんって渋ってたけど店長さんは「お客様により近い率直な意見が聞ける」って言ってくれはる。
「残りは持って帰って食べり？」
「いいんですか？！やったぁ、嬉しいっ！」
「あ、これ望に持っていったって」
そう言って出てきたのはウチも最後に味見した甘さと苦味のバランスがちょうど良いティラミスやった。
あっくんからそれを受け取って勉強を頑張ってるのんちゃんの元へと運ぶ。
「のんちゃん、これよかったら。まだ試作品やけど」
「えっ、いいの？ありがとう」
「あとちょっと勉強頑張ってな？」
やっぱ疲れてる時には甘いもんが一番やもん。
まぁウチは疲れてなくても甘いもん食べちゃうけど！
残りの時間、洗い物や店内の掃除をしてるとあっという間に上がる時間。
あっくんや店長さん、ほかのバイト仲間に声をかけて先に退勤をしたら服を着替え裏口からでて表に回るとスマホをいじりながらウチを待つのんちゃんの姿。
近寄ればウチの存在に気付いてふわっと微笑む。
うん、どうみても中学3年生には思えへん。
「お待たせっ！」
「お疲れさま、ほな帰りますか〜」
ウチより圧倒的に身長が高くて脚も長いのんちゃん、いつもゆっくり歩いてウチの歩幅に合わせて歩いてくれるねん。
しかも自然と車道側歩いてくれるねんで？
こんなモテ要素しかない子に彼女がおらんなんて考えられへん。
「そういえばのんちゃんは志望校決まってるん？」
「うん、まぁ大体やけど絞ってるよ」
「そっか〜、勉強大変やと思うけど頑張ってな？」
「ありがと。ともちゃんこそ最近どうなん？しげと」
「う"ぇっ......」
もちろんしげの存在を知るのんちゃんはウチがだいちゃんに恋してることも知ってるわけで、流星と同じくたまに話を聞いてもらってる。
急なだいちゃんの話題に変な声がでたウチみて楽しそうに笑うのんちゃん。笑い事ちゃうのに。
なんの進展もなければ現在進行形の片思い。
続く (更新停止中)
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作者名：いえやす | 作成日時：2023年4月12日 8時
