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「おつかれさまです!」
「お!モンチも今から?」
「あっくんや!うん、今日もよろしくお願いしますっ」
バイト先に到着してロッカーで制服に着替えたあと従業員控え室に向かうと先客がいた。
彼こそが同じ学校の3年生である、桐山照史先輩。
元々流星が知り合いでアルバイトを募集してるという相談を流星にしたところちょうどウチに声がかかってお世話になることになった。
同じ学校ってこともあってすぐに親しくなったのはもちろん、あっくんの元々の人懐っこい性格とか面倒見がいいってこともあってほんまによくしてもらってる。
うちの家庭事情も理解してくれてて、ほんまの妹みたいに可愛がってくれてる一人でもある。
おかげで今じゃお互いタメ口であだ名で呼び合う仲やし。
ちなみにもうかなり長く付き合ってるめっちゃ美人な彼女さんがいはって、その人も同じ学校やねん!
「今日試作のスイーツ作るみたいやで?」
「みたいやね!味見頼まれててさ、めっちゃ楽しみにしててん!」
「ほんま甘いもん好きやなぁ!」
「将来の夢はパフェの海で泳ぐこととだいちゃんのお嫁さんになることやからな」
「でた、まーたしげの話か」
「ええやん!いつもあっくんの惚気にも付き合ってんねんから!」
「惚気けてへんわっ!」
なんて2人してケラケラ笑いながら会話してたらそろそろ仕事の時間。
うちの店は本格的なコーヒーが売りのカフェ。
多種類のコーヒーに合ったスイーツを一緒に提供してるんやけど、ここはスイーツも絶品なん!
注文をとっては運んでの繰り返し。
初めてのバイトで最初は慣れへんかったけど常連のお客様は優しいし他のバイト仲間にも助けてもらいながらなんとか戦力になるくらいには動けるようになってきた。
客足も少し落ち着いてきた頃、カランコロンと扉が開く音がして振り向くとそこには見知った顔があった。
「のんちゃんやん!いらっしゃいませっ」
「やっほー、ともちゃん。お疲れ様」
「今日もまたお勉強?」
「うん、カウンターに座ってもいい?」
「ええよ!ちょうど端の席空いてるしどーぞ」
ありがと、と誰もが一瞬で惚れてしまうような(ウチはだいちゃん一筋やから惚れへんけど)微笑みを見せた彼は慣れた様子で席に腰を下ろした。
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作者名:いえやす | 作成日時:2023年4月12日 8時