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フライパンの中に少しだけ残った炒飯をフライングしてつまみ食いする神ちゃん。
うんまぁー！っておっきい目をさらに大きくさせるのが可愛くてつまみ食いをしたんも怒る気なんて失せてまう。
「あ、ちょっと待って神ちゃん」
「ん？なに？.....っ、」
「ほい、取れた。お茶とかも準備しとくしはよ戻ってきぃや」
満足気に急いで髪を乾かしにいこうとする神ちゃんを慌てて引き止めて目の下についてた睫毛をとってやってみせる。
そしてまた洗面所へ送り出そうとするけどなぜかその場で固まってしまった神ちゃん。
「神ちゃん？おーい、どうしてんな」
「へっ？あ、いや！なんでもない！待ってて！」
神ちゃんの顔の前で手をヒラヒラさせると、はっ！として慌てて動き出した神ちゃんを不思議に思う。
なんとなく顔も赤い気がしたけど、これは、勘違いしてええやつなんかな？
いやっ、風呂上がりで逆上せたってだけってのも有り得るもんな...。
その後、過去最速かってくらいはやく髪を乾かして戻ってきた神ちゃんと夜ご飯を食べながらツアーの話やったりなんでもない世間話で盛り上がった。
洗い物まで終わらせて食後のデザートにアイスを食べながら(季節関係なく神ちゃんの家はアイスが常備されてる)ふたりしてソファに身を沈めてあーでもないこーでもない言いながらテレビをみる。
そこそこ広いソファやのに中心に寄って座るんも俺にとってはかなり攻めてるつもり。
普段からメンバー同士で距離感は近いねんけど、神ちゃんに少しでも意識してもらえたらええな、なんていう願望込めまくり。
まるで恋人同士が過ごすようなまったりとした時間にええ気分になりつつも、現実はただの仲のいいメンバーやっていうことに内心ヘコむ。
意を決して何度もこの気持ちを言葉にしようと思ったけど、いざ言おうとすると喉の奥でつっかえてうまく言葉にならへんねん。
テレビの内容も頭に入ってこうへんくらい考え込んでしまって、気がついたら隣では眠そうに船を漕ぎ始めてる神ちゃん。
時計に目をやるともう夜中の3時を回ろうとしていた。
「神ちゃん、そろそろ寝よか」
「...ん、ぁ、おれ寝てた？」
おっきい欠伸をしながら目を擦る仕草はあどけなくて可愛らしい。
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作者名：いえやす | 作成日時：2022年9月1日 1時
