◆-123-◆墓参り ページ4
彼女の一周忌まであと数週間になろうかというある日、
相葉は彼女の墓の前に立っていた。
「来たよ、Aさん…」
しゃがみ込んで抱えていた花束をそっと置き、
静かに目を閉じて手を合わせる。
「いい天気だね…」
ふと空を見上げひとり呟くと、
その頬を柔らかく風が撫でた。
「…昨日ね、リーダーに会ったんだけど」
相変わらず大野は相葉の休みがいつなのか知っている様子だった。
しかしオフの前日であるにもかかわらず、
ここ１年近くのように大野が相葉に天気を教えることはなく、
『ほんじゃあね、相葉ちゃん。お疲れー』
『あ、うん…お疲れさま』
大野は相葉に手を振りあっさり帰って行った。
それはもちろん、相葉の目が治ったからだろう。
色が分かるようになった以上、
オフの日の空模様を教える必要がないのは当然だった。
(…けど違うよね、リーダーのことだから)
大野には分かっているのだと相葉は思った。
自分が彼女の死に向き合いそれを乗り越えたことが、
大野にはきっと分かっているのだと。
「ね、Aさん。俺…」
墓に目を戻し口を開いた。
それは目が治ったあの日以来、
考え続けた末にやっと決めたことだった。
「…俺もう、毎月はここに来ないね」
相葉がこの１年近く、
月に１回あの場所に行っていた理由―――
それは傍から見たらただの墓参りだったかもしれない。
しかし本当の意味は違っていたことに、
相葉はやっと気づいたのだった。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
