◆-147-◆１年目 ページ28
収録を終えぞろぞろと楽屋へ戻る廊下で、
今日のゲストの話などで盛り上がっている４人の背中を見ながら、大野は考えていた。
(明日オフなんだよな…)
休みなのは自分ではなく相葉だ。
彼のマネージャーから今も相葉の休みが決まる度に連絡を受けているため知ったことだが、
(でもなぁ。あれからずっと言ってねぇし)
相葉の目が治ってからは１度も、
オフ日の天気を伝えたことはなかった。
しかし明日は特別な日に決まっている。
なぜなら―――
(どうすっかなぁ…)
言うか言うまいか考えているうちに楽屋に着いた。
とりあえず次の仕事へ向かう準備をしていると、
「…雅紀」
「なに？ 翔ちゃん」
口火を切ったのは櫻井だった。
少し言いにくそうに相葉をチラリと見て、
「あの、さぁ。明日なんだけど」
「うん」
「…仕事終わりにメシ行かね？
久々に、５人でさ」
着替え途中だった相葉はきょとんとしていたが、
それを聞くとニコリと笑って言った。
「ごめん翔ちゃん」
「え？」
「明日さ、俺オフで…」
そこで言葉を切った相葉はチラリを大野に目をやる。
リーダー知ってんでしょ？ と言いたげな瞳だった。
「…それでね、Aさんの実家行くんだ」
ふと言葉を切り―――
自分の手元辺りに目をやると、
相葉はつぶやいた。
「――命日だからさ、明日」
それは静かな声だった。
悲しくない、寂しくないと言い切れば嘘になるかもしれない。
しかし相葉の声は穏やかで温かく、
もう自分を殺し、やせ我慢をしていないのが感じられた。
「お墓にはさ、実は月イチで行ってたんだけど」
そう言ってまたチラリと大野を見ると、
相葉は今度はいたずらっぽく小さく笑った。
自分が相葉のオフを知っている、
そのことを相葉が知っているのを感じ、
大野の口元にも笑みが浮かんだ。
「…Aさんの家でね、
俺まだちゃんとお線香あげたことなくて」
ほら、目も治りましたって向こうのお母さんに報告しなきゃだし。
真面目な顔に戻ってそう言うと、
相葉は穏やかに笑った。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
