◆-145-◆胸の内 ページ26
相葉の目が治って早くも３週間が経つ。
先日のお詫びを兼ねてと相葉が言い張り、
何とか互いの予定を合わせ２人で飲み直しに来たわけだが、
「…なぁ、体はもういいわけ？ マジで」
「うん。完全復活」
相葉はケロリとした顔で言っているが、
あれだけあった熱や視覚の異常まで、
意識が戻った途端きれいに治っていたというのは奇跡に近い。
「…ならいいんだけどさぁ」
その複雑な表情に気づいたのか、
相葉は照れくさそうに少し笑い手元の箸に目をやった。
「…翔ちゃん」
「ん？ どした？」
「ごめんね、こないだ」
相葉が言っているのは前回のことだ。
櫻井が手洗いに立った隙に相葉は黙って先に店を出た上、
その後さっぱり連絡が取れなくなった。
「もういいって。気にすんなよ」
マジ焦ったけどな。
一応そう言い足してやると、
「だよね」という苦笑いが返って来た。
「あのさぁ。俺も…」
あれほど願い続けた無事な姿が今こうして目の前にある。
だからずっとずっと心にひっかかっていたことを、
今なら正直に言える気がした。
「謝んなきゃいけねぇんだよ、俺。お前に」
「へ？ なんで？ 何を？」
首を傾げ不思議そうに自分を見ている相葉を、
櫻井は腹にグッと力をこめて見つめ返した。
「俺…ホッとしたんだよ。
お前があの日…色分かんないって言った時」
「…え？」
「あれだけのことがあってさ…
何が起きてもおかしくないってみんなで…
何度か、話してたんだけど」
ポカンとしていた顔がスッと深くなった。
じっと自分に向けられている視線を感じながら、
櫻井は俯き気味にボソボソと続けた。
ある意味『覚悟』したこと。
しかしその予想に反し、何日経っても相葉にはどこにも
「あの頃、智くんもさ」
「リーダー？」
「相葉ちゃん、飛んでっちゃいそうだねって…」
「え？」
「だってよく見てただろ？ …空」
移動中や楽屋でふとした瞬間に空を見上げる横顔やその背中は、
まるでどうすれば『彼女のいる場所』に行けるのかと、
そんなことを真剣に考えているように見えた。
相葉の背中に思わず手を伸ばし、
『行くなよ』と言いかけたのは１度や２度ではなく、
…それは多分、櫻井だけのことでもなかった。
「ニノも松潤も、ずっと同じこと心配してて」
「…やだな、もう。そんなことあるわけ、」
「あるよ！」
思わず上げた声に相葉が黙った。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
