◆-122-◆強い人 ページ3
「ほんとだよ？」
何も言えず黙り込んだままの松本に、
体を起こした相葉が言った。
「ホントにもう俺、大丈夫だから」
まるで先ほどまで考えていたことを読まれたような言葉に、
松本は驚き、ただ相葉の顔を見つめていた。
「ずっと心配かけてごめん。
…あと、ありがとね」
「そんな…礼言われるようなことなんか俺別にしてねぇし」
松本はぶっきらぼうに答えた。
それは照れ隠しなどではなく、ただの本心だった。
自分は何もしていない、できなかった。
(普段はこんな近くにいるくせにさぁ…)
結局何の役にも立たなかった自分が情けなく、腹立たしかった。
黙って空のカップをにらんでいると、
「ううん。そんなことないよ」
静かに立ち上がった相葉がゆっくりと歩き、
俯いたままの松本を下から覗き込んだ。
「松潤が…みんながずっと側で支えて、
俺の事待っててくれたから。
だからさ、俺こっちでもうちょっと頑張ろうって思ったんだよ？」
相葉の言葉に松本がハッと息を呑む。
『こっちで』
サラリと放たれたその言葉の重さと、
相葉の声の深さに松本は胸を衝かれていた。
「ねぇ、それってすごくない？
どっちにもさ、待っててくれる人がいたってことでしょ？
本気で…、俺のこと待っててくれる人がさ」
得意げに笑う相葉に、
松本は何も言えなかった。
(…なんで？)
分からなかった。
一体なぜそんな風に笑えるのだろう。
その強さはどこから来るのだろう。
「もう大丈夫だから。ね？ だから…
だからほらもーそんな顔しないの！」
相葉が松本の頭をポンポンと優しく撫でる。
不覚にも溢れてきた涙であっという間にぼやけてしまったが、
そこには松本達が長らく待ち望んでいた、
あの大きな笑顔が確かにあった。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
