◆-131-◆望む答 ページ12
みるみるうちに遠い目になり、
相原はほとんど真下にうつむいた。
全く表情が窺えなくなった相手に、
「テッちゃんてば。ね、どしたの？」
相葉は急にひどく不安な気持ちに襲われた。
この感じは、確かずっと前に…
(…ああ、あの時だ…)
あの夜の病院の記憶がよみがえった。
消毒液のにおい、
青白い電灯と細く立ち上る煙、
そして静まり返った部屋にじっと横たわる―――
『ねぇAさん、ねぇっ！ねぇぇぇっっ！！』
彼女の名を叫び続け錯乱状態に陥った相葉は処置室に運ばれ、
鎮静剤を打たれた後しばらくしてから出てきた廊下で相原に会ったのだが、
そこで相原は今と同じようにうつむき、そして…
「…ごめん相葉くん」
時間が巻き戻ったかのような感覚に、
一瞬クラリと眩暈がする。
「…なんで謝んのテッちゃん」
しかしその眩暈はほんの一瞬だけだった。
自分に残っているのは穏やかな気持ちだけで、
その気持ちはもう揺るがないことが相葉にはよく分かっていた。
「…」
相葉の静かな声にも相原は黙ったまま俯き動かなかったが、
グラスを持つ手が細かく震えているのが目に入り、
相葉の胸はキリキリと痛んだ。
「ねぇテッちゃん。俺はさ…」
その手からそっとグラスを抜き取りテーブルに置きながらも、
相葉はどう言えばいいか思い巡らせていた。
自分が一体なにを言えば相原は顔を上げ、
また以前のように笑えるようになるのだろうかと。
「俺は―――恨んだり、してないよ？」
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
