◆-130-◆陰の影 ページ11
スタッフルームに入って行った小原と田野が、
「じゃあ私たちはお先に失礼します」
「相葉さん、どうぞごゆっくり」
コートを手にしてそう言いに来て初めて、
相葉は先ほどの会話の意味を理解した。
「…あっ、あの！
本当に今日は、どうもありがとうございました」
再び立ち上がり慌ててそう言った相葉に、
２人は丁寧に礼を返して店を出て行った。
「悪ぃ、ちょっとこれだけ片付けさして」
「え？ あ、うん…」
テキパキと相原が動くのを相葉はぼんやりと眺めていた。
看板を下げるような作業はすでに終わっているため、
片づけるといってもそこまでやることは多くなさそうだった。
「お待たせ」
「ううん」
あっという間に席に戻ってきた相原を見ると、
いつもの銀のトレイにグラスと酒のボトルが乗っていた。
どこか見覚えがある高価そうなボトルに、
「あっ！」
声を上げた相葉を見て、
相原が意外そうにひょいと眉を上げる。
「おー覚えてたんだ？」
「うん…えっでもそっちは、」
「あーこっち？
こっちは田野さんの超秘蔵っ子」
相原がニヤリと笑いテーブルにトレイを置く。
(そういう意味だったんだ…)
私のもどうぞ、という田野の言葉には内心納得したが、
依然として何が何だかよく分からないままだった。
「ま、いいじゃん。ちょっと飲もうよ」
相変わらずの涼しい顔で相原が言い、
手際よく丁寧にロックを作り上げると、
相葉の手にほい、とグラスを持たせた。
「…じゃ、俺も遠慮なくー」
自分用にも氷とやや多めの酒でロックを作り、
相原はグラスをかざして嬉しそうにしていたが―――
「…テッちゃん？」
透明な氷がカランと音を立てた瞬間、
その顔にふっと陰がさした。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつもありがとう！ご想像通り解放感に満ち溢れておりまーす(笑) とにかく完走できてホッ！次はリーダー終わらせてあげなきゃ(-_-;) と言いつつ他の話も書いてるとこなのでまたどうぞよろしく♪ (2017年9月30日 15時) (
レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 取り敢えず〜！お疲れ様でした！お話のお陰で以前の楽譜を引っ張り出して、ｱﾀｼも再チャレンジしてました！その時はできなかった弾き方を求めて…といいつつ、２回もお話を楽しませて頂きありがたき幸せw (2017年9月30日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年9月9日 9時
