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山田「さっき、なんて言ったの、Aちゃん」
「…ん?忠義に部屋着は貸さんでええよ、って」
圭人「sorryは『ごめんなさい』じゃなくて、『かわいそう』って意味」
八乙女「へぇ〜、ちょっと賢くなった」
きちんと英語の意味を理解しようとする真面目な若者たちに対し、忠義はまだ不満があるのか、ぶうたれた顔のまま私を横目で睨む。
「忠義、ブサイク」
大倉「誰のせいやねん」
「自業自得でーす」
大倉「金出したん俺やのに」
「この前焼き肉奢ったん、あたしやで」
忠義との食事は、ジャンケンで負けたほうが払う、という昔からのルール。
妙にジャンケンが強い忠義に、私はほとんど毎回食事代を払わされている。
「この前櫻井くんとご飯行ったら、『年下の女子に払わせる男はおらん』って言うてたよ」
大倉「お前、女子ちゃうやん」
「はい、ブランケットも無しね」
大倉「んあーぁ!ごめんて!!」
手のひらを返したように謝り倒す忠義を、JUMPの3人は手を叩いて笑っている。
…こいつには先輩の威厳ってもんが無いのか。
「そろそろ片付けんでー。
お皿とグラス、キッチンに持ってきてや」
「「「はーい」」」
キッチンに向かった私に続き、それぞれがお椀やお箸を持ってシンクに置いていく。
気を利かせた山田が『俺、洗いますよ』と率先してスポンジを握ってくれたから、ほろ酔いの私はその厚意に甘えることにした。
圭人「安田くんと大倉くん、お風呂入ります?」
安田「大倉はベロベロやからやめといたほうがええわ(笑)
俺だけ借りてもいい?」
圭人「じゃあお湯溜めときますね。
部屋着、俺のでいいですか?」
安田「助かるー!ありがとう」
山田が食器を洗う横で、八乙女がそれを布巾で拭いていく。
章ちゃんは卓上コンロを綺麗に拭いてから、しまってあった棚に戻してくれた。
「忠義、ふて寝しとる(笑)」
安田「あーあ、拗ねてもーた」
「しゃーないなぁ、もう」
私は整理していたカトラリーケースを引き出しに戻して、ソファに掛けてあった圭人のお昼寝用ブランケットを、丸くなって眠る忠義の身体に掛けてあげた。
…そのとき。
忠義の腕がにょきっとブランケットから伸び、私の手首を強く掴むと、彼の巨体の上に倒れ込むようにして引っ張られた。
「ちょっ!忠義コラ!!」
圭人「……え、何」
Give me a break…!
(勘弁してよ…!)
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紅羽(プロフ) - 恋するバイリンガル最後まで読ませていただきました。お疲れ様でした また、短編集や新作ゆっくりでもいいので書いて欲しいです!!楽しみしてます! (2018年7月22日 23時) (レス) id: 765bb6b86f (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 色々大変かと思われますが少しずつでもいいのでこれからも更新楽しみにしています!微力ながら応援しています!頑張ってください^ ^! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 765bb6b86f (このIDを非表示/違反報告)
紅羽(プロフ) - 布由さんはじめまして!いつもこちらの作品楽しみに見させて頂いてます! 圭人くんのニュースビックリしましたが、脱退じゃなくて一安心しました。 そして今回の大阪の地震私の住んでいる所も凄く揺れました。 (2018年7月5日 21時) (レス) id: 765bb6b86f (このIDを非表示/違反報告)
りぬここ - 読んでいる側としてもいつも楽しく読ませていただきました!また他のお話ができた際には是非読みたいと思っています!これからも応援しています。 (2018年4月30日 17時) (レス) id: a2b269496c (このIDを非表示/違反報告)
りぬここ - 今まで沢山の楽しいお話をありがとうございました。渋谷さんが辞めてしまったことをニュースで知ったのですが、ファンじゃなくてもえっ…ってなってすごく悲しい気持ちになりました。素敵なお話を忙しい合間を縫って作っていただき、ありがとうございました! (2018年4月30日 17時) (レス) id: a2b269496c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:布由 | 作成日時:2017年12月14日 2時