世界でいちばん愛しい人。【深田竜生】 (ページ10)

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試練ページ10

*

それが何故、

今は竜生とこんな関係になってしまったのか。

あれは、中学生になったばかりの頃だった。

母『じゃあ、お母さんとお父さん出かけてくるから』

父『しっかり戸締りしろよ〜』

子供から見ても、

私たちの両親はいつも仲良くて

旅行などで家を空けることが多かった。

だから必然と竜生と2人でいる事が普通になっていた。

竜「また出かけたん？」

「ほんと仲良しだよね」

ただ、竜生と二人きりと言うことは

私にとってはかなりの試練だった。

お風呂上がりは平気で上裸だし、

距離感近いからずっと隣にくっついてるし。

いつかこの気持ちが、

この激しい心拍が竜生に聞こえるんじゃないか

と、私は心を抑えるのに必死だった。

竜「あ、雨降りそう」

「やだなぁ」

竜「まだ雷怖いん？」

「そりゃ、怖い…よ？」

竜「ふーん。」

大して面白くもないバラエティ番組を見ながら

興味無さそうな返事をする竜生。

その整った横顔を気づかれないように見る。

なんでこんな感情を持ってしまったのだろう。

考えれば考えるほど分からなくなる。

*