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涙 ページ28
*
「……」
竜「起きた」
目が覚めると目の前に竜生がいた。
顔を包み込むように優しく頬を撫でられる。
竜「怖い夢見た？」
その言葉で自分が泣いていたことに気づく。
「だいじょぶ」
竜「そうは見えんけど…」
真っ直ぐに竜生の顔を見つめる。
心配そうなその顔は、
やはり整っていて、
かっこいいな〜、なんて思ったりした。
と、同時に
“消えちゃいそう”
何故かそう感じて心が苦しくなった。
「りゅうせ、」
竜「ん？」
「居なくならない、でね」
そう伝えると、
一瞬驚いた顔をした竜生は、
竜「いなくならんよ」
とだけ言って優しく微笑んだ。
また、優しく親指で私の頬を撫でる。
その擽ったさと、温かさに、
少し安心した。
「りゅう、ぎゅってして」
竜「…ヤバ、」
「ん？」
竜「なんもない」
竜生の布団で、
竜生に優しく包まれて、
竜生でいっぱいになった私は、
またそのまま眠りについた。
*
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作者名：大谷
| 作成日時：2023年6月22日 13時
