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校舎裏 ページ23
*
知らない男の子を追いかけ
人気の無い校舎裏まできた。
「あの、」
『僕、前田って言うんですけど』
「前田くん、」
前「知らないっすよね、すみません」
知らないって分かっててなんの用、
って分からないほど天然ではない。
何となく察しはついてる。
何回か経験した耐えられないこの空気。
緊張しているのか、下唇を強くかみ締めている彼。
前「前から気になってて深田さんのことが」
やっと喋りだしたと思ったら予想通りで、
そうですよね〜、、、と心の中でため息をつく。
下を向いたままの彼とは目も合わない。
そもそも初めて喋ったし。
前「気になってて」
こっちは今名前を知ったんですけどね。
前「良かったら付き合って欲しいなーって」
「あ〜」
前「無理、かな？」
『無理』
「え？竜生？！」
前田くんに返事をしたのは、
私ではなく竜生だった。
*
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作者名：大谷
| 作成日時：2023年6月22日 13時
