43 ❤ ページ44
宮舘side
スタスタと自分のバッグに向かう彼女。
あ、帰るんだ。俺フラれるのか。
ぼんやりとそう思っていたら、Aちゃんはスマホだけを握りしめてソファに戻ってきた。
元いた位置に座り直して、すごい勢いで画面を操作しはじめる。
『えっと……？』
状況が理解できなくて困っている俺を横目に、彼女は言った。
「淋しくなったり不安になったりしたら、やりかねないタイプだと思うんだよね、わたし。」
『……何をやりかねないタイプ？』
「ん、匂わせ。」
『えぇ？笑』
「だから、SNS全部アカウント消す。ちょっと待ってて。」
匂わせとは、特定の人物と親密な関係であることをあえて公言はせずに、間接的な表現で周囲に仄めかす行為のこと。
このSNS時代に、日本中のアイドル事務所を悩ませる問題の一つだろう。
衝動的にそんな投稿をしないように、そもそもSNSのアカウント自体を消すと宣言し、実行している君。
それってさぁ……、ねぇ？
数分後、スマホをローテーブルに置き、俺に向き合ってAちゃんは言った。
「……覚悟、決まりました。」
「わたしも、一緒に色んなこと乗り越えたい。」
「公私混同はしないし、ちゃんとわきまえる。あらゆる警戒を怠らない。」
「だから、わたしを舘さんの彼女にさせてください。」
衝動的に抱きしめれば、遠慮がちに背中に回される君の両腕。
長いようで短い片思い期間を思い返すと、目にこみ上げるものがある。
『舘さんじゃなくて、涼太ね。』
「ん、涼太。」
『うん。んふふ。』
「わぁ、ご機嫌だぁ。笑」
好きな子と両思いで、彼氏になれて、名前を呼んでもらって。
そりゃあご機嫌にもなりますよ。
だらしなくゆるむ口元を隠すために、そっと君の唇に口づけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1542人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
びすこ(プロフ) - まあさん» まあさん、はじめまして！わたしも舘様寄りの箱推です🥹一緒🥹🥹嬉しいコメントありがとうございます！クラクラな展開になるかはわかりませんが😂二人を見守ってくれると嬉しいです。またいらしてください！ (1月2日 17時) (
レス) id: c715209984 (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - 初めまして！舘様寄りの箱推です。いや、待ってましたよこのお話😍もっともっともっと、私達をクラクラさせて下さい！ (1月1日 8時) (レス) @page46 id: c613e7ffb3 (このIDを非表示/違反報告)
びすこ(プロフ) - yukiさん» yukiさん、コメントありがとうございます😳🌹わー！うれしいです！更新頑張ります！ (9月23日 0時) (レス) id: 2dbdd1eef0 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごくすごく好きなお話です！更新楽しみにまっています❤️ (9月18日 2時) (レス) @page42 id: 20f54394f0 (このIDを非表示/違反報告)
びすこ(プロフ) - ひまわり。さん» ひまわり。さん、コメントありがとうございます🫶更新頻度上げられるように頑張ります！ (9月12日 20時) (レス) id: 068df6770e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：びすこ | 作成日時：2023年2月25日 2時
