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目尻が下がり、口元はゆるゆる。
15秒前とのギャップに思わず笑ってしまう。
そっか、このだらしない顔を隠したくて、あんなしかめっ面を作ってたのか。
「涼太くーん。」
『んふふ。』
国王、ご満悦のご様子。
なんだ。全然悩むことなかったじゃん。
わたしがモヤモヤしてた時間を返してほしい。
ーーーー
『普段から名前で呼んでよ。』
「えー、なんだか仲良しアピールみたいじゃない?」
『仲良しなんだからいいじゃん。俺はアピりたくてAちゃんって呼んでるんだし。』
「そうなの?」
『うん。特別な人だよっていうアピール。あと牽制。』
「なんだそれ。」
ご馳走になったお礼になればと、後片付けを買って出た。
食器を洗うわたしの横で、舘さんは食後のお茶を淹れてくれている。
「あ、いい香り。」
『前に来たとき気に入ってたみたいだから。同じ茶葉だよ。』
「そんなことまで覚えてるの?ありがとう。」
『あの時は帰したくなくて必死だったからね。今もだけど。』
続けざまに浴びせられる甘々な言葉たちに、いちいち赤面してしまう。
お皿をすすぐ水音のせいで聞こえなかったことにして、リアクションは控えさせてもらった。
ーーーー
『来て。』
シンクの中が空っぽになったと同時に紅茶の準備ができて、カップを持った舘さんにキッチンからリビングへ案内される。
いよいよ「これからのことをちゃんと話す」雰囲気だ。
美しい所作で紅茶に口をつけた後、舘さんは『聞いて?』と話し始めた。
『俺、仕事仲間としては勿論、女性としてAちゃんのことが好き。』
『彼氏がいたから、ずっと俺の片思いだったんだけど。』
『今日ふたりで話して、もう今は違うのかもって思って浮かれちゃってる。』
優しい声色に、ストレートな言葉。
どうなの?って聞くように、目でわたしに返事を求めてくる。
「わたしも、好き……なんだと思う。」
「ごめん、自覚したのがついさっきだから、全然考えが纏まってないや。」
「わたしね、ファンへの礼儀を忘れなければ、アイドルが恋愛したって全然問題ないじゃんって思ってたの。」
「でもマネージャーがアイドルに手を出すって、客観的にかなりヤバいじゃん?」
「舘さんと付き合って、それが公になれば、ファンもメンバーもスタッフも、Snow Manに関わるすべての人を裏切ることになっちゃう。」
「……アイドルの恋愛肯定派!とか言っておきながら、当事者になる覚悟は全然決まらないの。」
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びすこ(プロフ) - まあさん» まあさん、はじめまして!わたしも舘様寄りの箱推です🥹一緒🥹🥹嬉しいコメントありがとうございます!クラクラな展開になるかはわかりませんが😂二人を見守ってくれると嬉しいです。またいらしてください! (1月2日 17時) (レス) id: c715209984 (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - 初めまして!舘様寄りの箱推です。いや、待ってましたよこのお話😍もっともっともっと、私達をクラクラさせて下さい! (1月1日 8時) (レス) @page46 id: c613e7ffb3 (このIDを非表示/違反報告)
びすこ(プロフ) - yukiさん» yukiさん、コメントありがとうございます😳🌹わー!うれしいです!更新頑張ります! (9月23日 0時) (レス) id: 2dbdd1eef0 (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - すごくすごく好きなお話です!更新楽しみにまっています❤️ (9月18日 2時) (レス) @page42 id: 20f54394f0 (このIDを非表示/違反報告)
びすこ(プロフ) - ひまわり。さん» ひまわり。さん、コメントありがとうございます🫶更新頻度上げられるように頑張ります! (9月12日 20時) (レス) id: 068df6770e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:びすこ | 作成日時:2023年2月25日 2時