無かったことに gr ページ7
「信じらんない…。」
どんな事を言われても夜になって朝になれば多少は怒っても最後は許してくれた。
不器用な俺にはそれが丁度良くて。
「…ごめんなさい。」
その方法が拒絶されてしまったらどうすれば。
【無かったことにしないで】
「おかえりなさい。」
深夜に仕事から帰ると珍しく恋人であるAが出迎えてくれた。リビングからは軽く何か作ってくれたのか美味しそうな匂いが漂ってくる。
上着とかばんをAに預けリビングへと促される。予想通り作ってくれていて、俺が椅子に腰掛ければAも向かいに座った。
「遅くまで悪いな。」
「ううん、」
聞きたい事があって。そうAは続けた。しかし一向に話す気配はなく、Aの瞳はせわしなく揺れる。
「なんだ？」
「…、あのね。昨日買い忘れたものがあってスーパーへ行った時、グルちゃんと女の人が歩いてたのを見たの。」
あぁ、あの時か。確か彼氏に送るものを選んでほしいと飲み会の途中に同僚に連れ出された事を思い出す。家でAが待ってることを伝えれば今日はもういいと買わずに帰ったが。
見られていたのか。
「その時グルちゃん飲み会だってメールくれたじゃん！すっごい女の人楽しそうだったよ…。」
「浮気をしていると思ってるのか？」
「思ってないよ？…でもこの状況何回目？グルちゃんが誘いを断らないのは知ってるけど…んｯ！？」
「なら大丈夫。Aは気にしなくていい。」
Aへついばむようにキスをする。
これからの行為で愛を確かめ合ってきたのだから説明なんて必要ない。いつもそれをAは受け止めてくれた。
同棲しているのにまだ分けられている寝室。自分の寝室へ連れ込もうと、Aの手をとった。
「やめて…！」
瞬間、強く握ったわけではない手と手が離れる。うまく状況が飲み込めず払い落とされた自分の手を見つめた。
「…？」
「意味、分かんないよ…。いつも行為で有耶無耶にして、言えない事なの…？やっぱり、浮気してるの…？」
してないと口から出そうとしたのをAが遮る。
「…ごめんなさい。」
何故Aが謝ったのかが分らないまま、寝室へ戻るのであろうAの背中を何も考えずに見送る。
リビングへ戻ると温めてくれていたはずの料理は冷めていた。
｡:°ஐ*｡:°ʚ ɞ°:｡*ஐ°:｡
続きはいつか書きます
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆめ - リクエストのお話、書いていただいてありがとうございます！！素敵過ぎて、お話を読み終えるのが怖くてゆっくりゆっくりと読んでしまいました(笑)もう言葉にできないです、本当にありがとうございました……！ (2017年11月13日 7時) (
レス) id: fe917228cd (このIDを非表示/違反報告)
水若(プロフ) - ゆめさん» 初めましてゆめ様。お褒めの言葉をいただけて感無量です…。リクエストへの返事が遅れて申し訳ないです。教師×生徒ですね、承りました。リクエストありがとうございます！ (2017年11月9日 20時) (レス) id: d8be9b00ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 初めまして！いつも素敵すぎる作品を楽しんで読ませていただいております。大好きです。もしよろしければ、教師と生徒の設定でト.ント.ンさんを書いていただけないでしょうか……？これからも応援しております、更新頑張ってください。 (2017年11月7日 12時) (レス) id: fe917228cd (このIDを非表示/違反報告)
愛犬(プロフ) - 詩唄 -*utau*-さん» 詩唄様2度目のリクエストありがとうございますっ！良いです！書きます！ゾムさんですね、私も好きなので早く書けそうです。うけたまわりましたので気長にお待ちください(*´∇｀*) (2017年4月4日 13時) (レス) id: 4db743e808 (このIDを非表示/違反報告)
詩唄 -*utau*-(プロフ) - じゃあ、あっち系のお話良いですか←ゾムでお願いします、大丈夫ですかね？ (2017年4月4日 8時) (レス) id: c6da07a44b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水 | 作成日時：2017年3月16日 1時
