こんなつもりじゃなかった gr ページ22
ずっと好きだった。彼と並んでも劣らないぐらい勉強も自分磨きもなんだってしてきたのに。
「お前が望んだことだろう」
「うん…」
【こんなつもりじゃなかった】
始まりはとても些細で偶然で…信じられなかった。
友達との帰り道にたまたま明日のテストの話になり、たまたまテスト勉強に必要な資料集を忘れていることに気付いて、たまたま…その場に鉢合わせて。
「グ、ルッ…ペンくん…？」
教科書が詰められた鞄は手から滑り落ち、ドサリと音を立てて中身が散らばる。教室のドアが鉛の塊になったように重く感じて、ドアを閉めるための手が動かない。目が離せない。
口から自然に漏れ出てしまった長く片想いしてきた彼の名前は空気に溶けた。ゆっくりと私を射抜いた冷たい視線は私をその場に縫い付ける。
「！」
やっと私の存在を認知した同じ学年の女の子は右手に握られたネクタイから手を離し、私の肩にぶつかりながら教室の外へ駆けていった。
「ぁの、お邪魔してごめんなさい…。
グルッペンくん、彼女いたんだね」
「アレは彼女じゃない。なんだ、忘れ物か？」
「…？ 資料集を忘れちゃって…」
話しているだけなのに素直に顔が見れないのは先程まで重なっていた唇を直視したくないから。窓際近くの机に座る彼の横を通り資料集が仕舞われた自分の机へ足を急がせる。
それでも頭に浮かぶのは資料集のことではなくて偶然に見てしまった光景。嫌がりもせず受け入れたグルッペンくんはやはり彼女がいないと嘘をついているんじゃないだろうか。
「グルッペンくん」
「本当に彼女じゃないの？」
誰からの愛にも応じるなら、私だって…
□
5年片想いした相手と何度めかのキスをする。回数で言えば両手でも足りないのに。どうしてこんなにも穴が空いたような虚無感にかられるのか。
「グルッペンくん、私のこと好き？」
「…」
「私は好きだよ？大好き」
「…泣くな」
仮初の一時が終われば彼は隣からいなくなる。頬に添えられた涙を拭う手から感じられる彼の存在に胸が痛くなる。1年前に交した言葉は嘘偽りの無い本音。
受け身でしかいられない彼は無感情の目を向ける。
｡:°ஐ*｡:°ʚ ɞ°:｡*ஐ°:｡
アロマンティックな彼との話。
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ゆめ - リクエストのお話、書いていただいてありがとうございます！！素敵過ぎて、お話を読み終えるのが怖くてゆっくりゆっくりと読んでしまいました(笑)もう言葉にできないです、本当にありがとうございました……！ (2017年11月13日 7時) (
レス) id: fe917228cd (このIDを非表示/違反報告)
水若(プロフ) - ゆめさん» 初めましてゆめ様。お褒めの言葉をいただけて感無量です…。リクエストへの返事が遅れて申し訳ないです。教師×生徒ですね、承りました。リクエストありがとうございます！ (2017年11月9日 20時) (レス) id: d8be9b00ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 初めまして！いつも素敵すぎる作品を楽しんで読ませていただいております。大好きです。もしよろしければ、教師と生徒の設定でト.ント.ンさんを書いていただけないでしょうか……？これからも応援しております、更新頑張ってください。 (2017年11月7日 12時) (レス) id: fe917228cd (このIDを非表示/違反報告)
愛犬(プロフ) - 詩唄 -*utau*-さん» 詩唄様2度目のリクエストありがとうございますっ！良いです！書きます！ゾムさんですね、私も好きなので早く書けそうです。うけたまわりましたので気長にお待ちください(*´∇｀*) (2017年4月4日 13時) (レス) id: 4db743e808 (このIDを非表示/違反報告)
詩唄 -*utau*-(プロフ) - じゃあ、あっち系のお話良いですか←ゾムでお願いします、大丈夫ですかね？ (2017年4月4日 8時) (レス) id: c6da07a44b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水 | 作成日時：2017年3月16日 1時
