偽物と本物の違い zm ページ2
私を見透かすようなその緑の瞳。
私は彼が好きで決して貴方ではない。
【偽物と本物の違い】
あの方の結婚式を含めた盛大なるパーティが始まった。いつも凛としていてすべてが好きだったのに。私とではない貴方の幸福を祝いに行かなくてはならない。
「おい、あんま無理すんなよ？」
「分かってるわよ。最初からわかってたことなんだもの。」
幼い頃から一緒だったゾムは私の恋心のことも分かりきったうえで、同情からか悲しそうな瞳でこちらを見てくる。
そろそろ行こかとゾムがつぶやいた後、ワイングラスを置いてゾムは祝いの言葉を告げに行こうと私に呼びかけた。
「どうしたん？やっぱ辛いか？」
「ええ。今からでも泣けるくらいには。」
「…別に泣いてもええねんで？」
どういう意味、そう聞こうとした時私の指に絡まるものが。
そしてぎゅっと握られると会場の出口扉を出て、夜の月がよく見える人気の少ない小さなバルコニーへ引っ張られて行く。
「ねえ、どういうつもりなの？」
「何が？」
「何がって…、」
「…強がんなって。泣きたいくらい辛かったんやろ。」
「…。」
ゾムには何でもバレている。
あのままお祝いの言葉を言いに行っていたら自分がちゃんと笑えているなんて想像できない。悲しみで歪んだ笑顔か、悔しくて笑顔にすらなれないか。
複雑なのだ。何もかも。
自分が傷つきたくないから心に嘘をつこうとする。だけどそれは相手を傷つける。
「なあ、我慢すんなよ。」
プツン_____、何かが切れた。
途端に目いっぱいに水が溜まって溢れて出す。
弱いところを隠そうとした鎧がボロボロになっていく。
「私だってぇ…！あの人のこと、好きだったの！
…でもね？なーんも伝えられなかった…。」
泣いているから同情してよ、そんな最低なことを考えている自分さえ受け止めて。そんな眼差しでゾムを見た。否、見れなかった。
いつの間にか私はゾムの腕の中にいた。そしてピタと密着して、私も腕をまわす。
「俺にしとけって。」
ゾムがポツリとそう言った。
その刹那、私の顎はゾムによって持ち上げられる。
「俺の気持ちに気づいてや。……嫌やったら今、抵抗して。」
抵抗。そんな事するはずなかった。
自分から愛を注ぐ一方通行で、私の愛は枯れてくだけだったからなのかもしれない。私は、愛を欲していた。
「…好きにして。」
まだ言葉を言い終わらない内に深くて熱いキスが私の口内を侵した。
雨の日に咲いた花* os→←君には言えない秘密のベーゼ zm
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ゆめ - リクエストのお話、書いていただいてありがとうございます！！素敵過ぎて、お話を読み終えるのが怖くてゆっくりゆっくりと読んでしまいました(笑)もう言葉にできないです、本当にありがとうございました……！ (2017年11月13日 7時) (
レス) id: fe917228cd (このIDを非表示/違反報告)
水若(プロフ) - ゆめさん» 初めましてゆめ様。お褒めの言葉をいただけて感無量です…。リクエストへの返事が遅れて申し訳ないです。教師×生徒ですね、承りました。リクエストありがとうございます！ (2017年11月9日 20時) (レス) id: d8be9b00ae (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 初めまして！いつも素敵すぎる作品を楽しんで読ませていただいております。大好きです。もしよろしければ、教師と生徒の設定でト.ント.ンさんを書いていただけないでしょうか……？これからも応援しております、更新頑張ってください。 (2017年11月7日 12時) (レス) id: fe917228cd (このIDを非表示/違反報告)
愛犬(プロフ) - 詩唄 -*utau*-さん» 詩唄様2度目のリクエストありがとうございますっ！良いです！書きます！ゾムさんですね、私も好きなので早く書けそうです。うけたまわりましたので気長にお待ちください(*´∇｀*) (2017年4月4日 13時) (レス) id: 4db743e808 (このIDを非表示/違反報告)
詩唄 -*utau*-(プロフ) - じゃあ、あっち系のお話良いですか←ゾムでお願いします、大丈夫ですかね？ (2017年4月4日 8時) (レス) id: c6da07a44b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水 | 作成日時：2017年3月16日 1時
