私は平野先生に恋をした。 (ページ38)

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桜も散り、木々は青々として
そよ風に揺れている。
蝉の鳴き声、照りつける太陽
季節は春から、夏へと移り変わった。

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「ねぇ、先生夏休みは会えないの？」

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体育教官室で、
パソコンと睨めっこしている先生の
太もももに触れ、上目遣いで聞いてみる。

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先生と付き合いだしてから
この体育教官室に通っている。
唯一学校で二人だけで会える場所。

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帰りももちろん先生に
送ってもらいたいけど。
廉に怪しまれては困るので、前と変わらず
部活終わりの廉と帰ったり
美優がバイトがない日は
美優と帰ったりしている。

先生と過ごせる時間なんてごくわずかで
校内では挨拶や立ち話程度。
お泊まりだって、あの日以来していない。
泊まりに行きたいだなんて言い出せない。

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そういえば、私はいつからこんなに
積極的になったんだろう。
あんなことが二度もあって
恋愛に抵抗を抱いているはずなのに。

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恋は盲目。

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本当にその通りだ。

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『花火大会行こうか。少し遠出して。』

え、花火？

先生の声に顔をあげると
さっきまでパソコンを見ていた
綺麗な顔は私に向けられ

『車で2時間くらい走ってさ』

と、楽しそうに話している。

え、先生と2時間のドライブに
花火大会までついてくるの？！

え、え！！

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「先生と花火見れるの！？」

思わず、声をあげてしまう。

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『浴衣姿、楽しみにしてるね』

私の声の大きさにびっくりしながら
先生はそのセリフと共に
ちゅっと音を立ててキスをした。

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