私は平野先生に恋をした。 (ページ36)

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あの日はお昼ご飯を二人で食べて
先生は私を家まで送ってくれた。

『今日も泊まればいいのに』と
残念そうに先生は言っていたけど
流石に2泊はできないし
今日も泊まるとなると先生も
我慢るのす大変だろうと少し気を使ったつもり。
自惚かもしれないけど。

それに…。

プルルルル

『はい』

「あ、廉。ドア開けて。」

・

廉のお見舞いに行きたかったから。

・

『来んでいいって、言うたやん。』

玄関のドアが開いて
気だるそうな廉が出てきた。

「熱下がった？」

廉の言葉は無視してズカズカと上がる。
廉の家も両親共に仕事が忙しくて
ほとんど家にいない。

「ご飯食べた？」

『食うてへん。』

「お粥でいい？」

『おん』

来るなと言ってた割には
素直に甘えてくれる廉が可愛かった。

私がお粥を作ってる間
廉はソファに横になってこちらをチラチラみている。

「なぁに？」

私がそう聞くと

『ん、なんや嬉しそうやなって思って』

え…。私顔に出てる？

先生とのことは廉にも言えない。

「廉が弱ってるから♡」

と、誤魔化すように笑ってみた。

『最悪やん』

私の言葉に項垂れるように廉は目を瞑った。

ごめんね、廉…。

あの日狂ってた廉を思い出すと
とてもじゃないけど昨日のことも
先生のことも言い出せないよ。

・

「平野先生のこと好きなの」

そう言ったら、廉は何て言うだろう。

・

呆れられるのかな。