私は平野先生に恋をした。 (ページ14)

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「お風呂ありがとうございました」

先生が用意してくれたスウェットを着て

リビングへと入った。

『え…』

先生は、私をみて動きが止まる

「ズボン大きすぎて…//」

スウェットのズボンも用意されていたけど

ウエストが大きすぎて

ストン…と下に落ちてしまったので

上のスウェットをワンピースのようにして

着てきたのだ。

『あ、そっか、そうだよね笑』

先生は理解してくれたようで

そう言いながら手招きをした。

『俺もお風呂入ってくるから、ゆっくりして。』

テーブルにはあったかいココアが

用意されていて

「先生…ありがとう」

『ん、すぐ上がるからまっててね』

そう言って先生は

バスルームへと消えて行った。

・

ココアをふぅーっと冷ましながら

思い出したくもない記憶が蘇ってきた。

また泣きそうになるのをグッと

堪えて、かっぷを持つ手に力が入る。

先生が助けてくれなかったら…と

思うだけでまた体が震えだす。

・

ガチャっ

しばらくして先生が戻ってきた。

濡れた髪をタオルで拭きながら

キッチンへと入っていくと

コップにお水を注いで一気に飲み干していく。

『少し落ち着いた？』

なんか、色っぽいなぁ…なんて

ことを考えていたら急に話しかけられて

「えっ！はい！」

と大きな声で返事をしてしまった。

『えー、嘘でしょ』

と、先生はあっという間に

私の隣に腰掛けて顔を覗き込んできた。

『あ…てか俺も男だから怖い？』

ふと思ったのかそんなことを聞かれた

私が首を横に振ると

『そう？ならいいんだけど』と

安心したように私の頭を撫でてくれた。

・

なぜか、心臓がドキドキする

まだ、恐怖心が治ってないのかな？

この時の私はそう思っていた。