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『本気で言ってます？』
｢本気ですよ｣
彼は私の隣にストンと腰を下ろした。こちらをじっと見つめてくるから団子が食べづらい。
いや、実習中の身としては声をかけてきてもらうのはめちゃくちゃに助かるんだけどさ……。
『あの……なんでしょう……？』
｢貴女が美味しそうに団子を食べられていたので、思わず声をかけてしまいました｣
『……』
｢なんて、本当は美味しそうに団子を食べている貴女が可愛かったからなんですけどね｣
『……ﾎﾟﾘ、』
｢……どうされました？｣
『いえ、そんなこと言われたの生まれて初めてなのでこう……痒くなってしまって』
腕をポリポリとかく。セリフの寒さより言われたことのむず痒さの方が勝ってしまった。一瞬でもこの人団子が好きなんか？と思ってしまった自分が憎い。
こんなこと言う人現実にいるんだな……現実のようで現実じゃない世界だけど。
｢はは、面白い方だ｣
『ﾎﾟﾘ……』
｢誰かと待ち合わせ中ですか？｣
『いえ、ただ考え事を』
｢ではこの後用事は？｣
『特には』
｢それは好都合だ。ひとつ、話を聞いていただけませんか。貴女さえ良ければ｣
『……いいですよ』
これを断って相手を探すところから、なんて正直面倒だ。何故かこちらに興味を持ってくれているこの人を相手にすれば課題も案外すんなりいっちゃうかもしれない。天の恵みだ。
すると彼は礼だといって団子を追加注文してくれた。ラッキーだけど
｢私の家はこの町の商家なんです。炭を売っているんですけど｣
炭屋さん。庄左ヱ門のご実家、｢黒木屋｣と同じ家業だ。……待てよ、この町の炭屋ってめちゃくちゃ大きい家じゃなかったっけ。え、この人豪商の一人息子？ボンボン？マジで？
｢もうすぐ元服する予定で、しばらくしたら家業も継がねばならないのです。しかし私にはとても荷が重くて｣
『覚えることも多くて大変でしょうね』
｢ええ、色々詰め込まなければいけなくて……時々こうして抜け出してくるんです｣
『まあ』
笑い声が重なった。
とんでもない人に捕まったもんだと思ったけど話してみると以外と普通の人だ。しかも意外と苦労人。これは当たりを引いたかもしれない。
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蒼葉碧(プロフ) - 春さん» わざわざpixivからお越しくださりありがとうございます！ストーリーはこちらの方が少し進んでいますので少しでも頂けたら幸いです……！ (2020年9月10日 22時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
春 - モブと色を見てpixivから飛んできました！まさか占ツクでUPされていたとは…即お気に入りさせていただきます！ (2020年9月10日 21時) (レス) id: cc81ffe234 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 蘭さん» ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年8月18日 18時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 主人公の性格がドストライクです。更新楽しみにしています。久々知兵助君と利吉さん格好いい！！ (2020年8月16日 22時) (レス) id: ad1a18fb4b (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 凛@昆布教さん» ありがとうございます〜！新たな沼のきっかけになれたなら嬉しいです(^ω^) (2020年8月10日 22時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年7月18日 15時
