41 モブの後輩観察 ページ21
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『暇だねぇ、数馬』
数馬｢そうですね……って先輩、もう終わったんですか！？｣
『うん。終わっちゃった』
数馬｢早いですね……｣
『数馬のももう少しだね。手伝うよ』
数馬｢え、ありがとうございます……！｣
本日の医務室当番はモブと数馬です。嬉しい事に本日の怪我人は未だゼロ。つまり究極の暇。溜まっていた包帯作りも自分の分は終わってしまったから数馬のを手伝う。
『よーし、終わった』
数馬｢ありがとうございました！｣
『いーえ。……そういや最近暑くなってきたねぇ』
数馬｢そうですねぇ。もうすぐ夏……いや、もう夏ですかね｣
外へ意識を向けると最近地中から出てきたばかりであろう蝉の声が聞こえた。
最近になって暖かいを通り越して暑くなり始めている。さすがに温暖化が進んだ平成よりかは涼しいんだろうけど、暑いものは暑い。
この時代に氷はあるけれど保存する為の冷凍庫はないので、冬の間に出来た天然の氷を氷室と呼ばれる洞窟等で保管される。勿論夏になれば需要は高まって……そもそも貴族やその上のお偉いさんにしか買えないんだけどね。しんベヱのご実家だと買えるのかなぁ。かき氷食べたい。食べられないけど。
一庶民である私たちが涼を取るには服を脱ぐか水を浴びるかぐらいしか方法がないのである。そう、水を浴びるくらいしか……
『……そうだ、井戸水！』
数馬｢へ？｣
『ちょっとだけお留守番してて。桶……あった。行ってきます！』
数馬｢へ？あ、はい！行ってらっしゃい！……？｣
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思い立ったが吉日、大きめの桶を持って医務室を飛び出した。
地下深くから引き上げる井戸水は冷たいのなんのって。冬は凍えそうで嫌になるけど夏にはもってこいだ。
『っしょ、』
しかし水はめちゃくちゃ重い。いつもは自分が顔を洗える量だけでいいけれど、この桶をいっぱいにするには釣瓶をあと三回は上げなければならない。
『しんど……』
額に汗が滲む。数馬を待たせているし早く戻らなきゃいけない。私だって涼みたいんじゃ！！
途端、釣瓶が軽くなった。
『お？』
｢大丈夫ですか、先輩｣
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蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
