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勘右衛門｢ほらね。兵助は？豆腐作るの手伝ってもらう？｣
兵助｢いや、俺はAに借りがあるから｣
勘右衛門｢なにそれ｣
借り、実習に付き合った時のことだな。まだ覚えてたんだなぁと兵助の方へ視線を向けると目がバッチリあった。"ごめんな"と言わんばかりの苦笑をされたので、失礼とは思いつつも"全くですね"の意で返した。
徐に兵助が天井へ視線を向ける。そこはちょうど私の頭上あたり。
『？』
見上げると視界には綺麗に揃った天井板。しかしよく見ると一枚だけズレていた。
再び兵助へ視線を戻すとゆっくりと一回、瞬きをした。なんで気づかなかったんだろう。ここは忍者の学校だ。天井裏の通路なんていくらでもあるし、去年まで私も常連だったじゃないか。
部屋の入り口まで辿り着けない今、天井裏が唯一の逃げ道だ。"ありがとうございます"の意を込めてゆっくりと一回、瞬きを返した。
勘右衛門たちは未だ話に夢中になっている。ずっと抜けていた私の腰も治ったようだしさっさと退散しよう。
『……すみません先輩方、長居するのもあれなのでこの辺で失礼させていただきます』
勘右衛門｢もう帰っちゃうの？｣
『生憎この後シナ先生との予定がありまして』
なんて嘘だけど。くの一たるもの口が上手じゃなきゃね。
雷蔵｢そっか。むしろ引き止めてごめんね｣
三郎｢んじゃ"礼"の話はまた今度な｣
『……一応検討だけしておきます。では、』
その場で飛び、ズレていた天井板をを手で軽く押して天井裏へ。下からは｢あっ！｣という声が聞こえた。私がここから去るとは思わなかったんだろう。改めて兵助には後日何かお礼をしないと。
さて、伊作が目覚めるまでまだかかるかもしれない。どこで暇つぶししようかな。
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勘右衛門｢まさか天井裏から出ていくとはね、歩いてきたら捕まえようと思ってたのに｣
兵助｢……去年まで俺たちに見つからないようにしていたんだから天井裏には詳しいだろう｣
勘右衛門｢それもそうか。あ〜天井板ちゃんと閉じておけばよかった｣
竹谷｢お前なぁ、後輩が可愛いのは分かるが大概にしろよ｣
勘右衛門｢だって楽しいじゃん。反応が新鮮というか｣
雷蔵｢勘右衛門ったら……そういえばAちゃんって男が苦手なんだよね？思ったより話すから僕驚いてたんだけど｣
三郎｢Aを知った忍たまたちがガツガツ行くから嫌でも慣れてきているんだろう｣
雷蔵｢なるほど｣
竹谷｢荒療治だよな｣
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蒼葉碧(プロフ) - みむまむにさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます〜！ヽ(^0^)ノ (2020年9月23日 8時) (
レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
みむまむに(プロフ) - すごく好きです！前作から引き続きずっと楽しいです！神作をありがとうございます！！ (2020年9月22日 21時) (レス) id: c45f50d5a3 (このIDを非表示/違反報告)
桜舞姫・蝶月姫(プロフ) - そっかぁ、簪の意味分からないかぁ、、、嫌われている所か....ねっ？ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fcb098628f (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - nasiremonさん» ありがとうございます〜！´`* (2020年5月15日 23時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon - すごく面白いです！！ 伊作先輩と鉢屋がかっこいい！ (2020年5月15日 0時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼葉碧 | 作成日時：2020年3月5日 15時
