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庄左ヱ門の一言で下ろしてもらえた私は一先ず五年生から離れて一年生の横に立った。勘右衛門にチラ、と横目で見られたけど知らない知らない。

というか私、三郎との絡み多くないですか？委員会一緒でもないのに絡むの実質三回目なんですが？保健委員会の次に会う機会多いの三郎ってどういうこと？？？これは幸運？不運？





庄左ヱ門｢あの、間違っていたらすみません。AA先輩ですか？｣

『え？ああうん、あってるよ』





前に立っていた庄左ヱ門が回れ右をして私の方を向いた。キリリとしたまゆが可愛い。そして少しばかり目が輝いているようにも見える。





庄左ヱ門｢初めまして、一年は組の黒木庄左ヱ門です｣

『よろしく、庄左ヱ門』

彦四郎｢ぼっ、僕は一年い組の今福彦四郎です！｣

『うん、彦四郎もよろしく』

彦四郎｢はいっ！｣

庄左ヱ門｢A先輩のお噂はかねがね、乱太郎たちから伺ってました。お会いできて嬉しいです｣

『それはそれは、ありがとう』





先に仕掛けてきたのは庄左ヱ門に負けじと自己紹介をする彦四郎。可愛い。そういえばしんベヱやきり丸に会った時にも言われたけど"お噂はかねがね"ってどんな噂なんだろ……悪いのじゃなきゃいいけど。

入り口に突っ立ってる五年を背に庄左ヱ門と彦四郎と話し込む。いや、話し込んでいるように見せかけて私は二人をただ見ている。キラキラした上目遣いなのがまあ可愛い。乱太郎と伏木蔵もそうだけど弟みたいだなぁ………………あれ、私って弟いたっけ？前世？の家族構成どんなだったっけ。両親はさすがにいたけど兄弟は？兄？姉？弟？妹？……居たのかな。私の記憶って結構欠けてる所多いなぁ。





彦四郎｢……A先輩？｣

『あぁ、ごめん。なんでもな──』

三郎｢こらこら、三人だけで仲良くしてんじゃないよ｣

勘右衛門｢そうだぞ〜、俺達も仲間に入れてよ｣

『ヒエッ』





いつのまに移動したのか、ちょっと離れたところにいた三郎と勘右衛門がすぐ近くに。勘右衛門は床に膝をついて彦四郎にバックハグ、三郎は……





『ビャーーーーーッ！！！』

三郎｢お前そんなでかい声出せたのか｣

『なっ、う……！？』

三郎｢なんで、うしろに、か？｣





私の後ろに。手は何故か肩に置かれている。やっべ完全に気を抜いて背後を取られてしまった。人質？は私の肩。何されんの……？突然のことに私はエサを求める鯉状態だよ。口がパクパクしている。

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