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仙蔵「……本当にこの橋を渡るのか?」
伊作「うん、近道だしね」
仙蔵「……」
仙蔵と出会った場所からしばらく歩くとちいさな谷にかかる橋へ着いた。橋と言っても厚めの木の板をかけて縄で補強された程度のものだから絶対揺れそう。通る前から既に怖い。その下には中々勢いのある川、落ちたら間違いなく流されるだろう。
まだ通るだけならいいんだ、丸太に比べれば安定してるし今日は風も吹いてないからふらつく心配もない。何が嫌ってこの面子でここを通ることだ。
来る時は違う道を通ったのに何故帰りだけここなのか。
『先輩、わざわざここを通らなくてもいいのでは……』
伊作「来た時と同じ道でもよかったんだけど、大荷物だからなるべく近道なほうがいいでしょ?この子たちもいるしね」
『そっ……すね……』
どうも、NOと言えない日本人代表ことモブです。
この子達がいるからこそ、なんて事情を知らない伊作に言えるはずもなく。アニメ通りならば不運も厳禁も発動する。最早どっちが厳禁でどっちが不運なのか分からないだろうけど、私がどう動いたところで結果は変わらないだろうし。
未来を知ってる立場として何も出来ないのが心苦しい。頑張ってくれ仙蔵。
仙蔵「とりあえず、我々が先に渡ってみるからちょっと待ってろ」
「「はあ〜い」」
仙蔵と伊作が橋の確認をしに先に進む。私と一緒に待つ二人は「先輩やさしいねー」だの「渡れるといいねー」だのお話している。ここだけ聞くとなんて平和なんだ。
伊作「どう?なんてことないだろう」
仙蔵「だから怖がっているわけでは……」
伊作「ほーらほら!」
橋の中央まで進むと伊作が橋を揺らし出す。こらー!自分から不運を誘いに行くんじゃないよ伊作!!
伊作「ははっ、ははは……オアッ!…………あ〜焦ったぁ、」
仙蔵「……大丈夫か」
案の定足を滑らせた伊作。言わんこっちゃない。仙蔵が伊作の手を取り損ねたけど橋の縁を掴んで何とか川に落ちずに済んだ。
「「せんぱ〜い!!」」
『ん?』
駆け出す音と声。目線を下げると大人しくしていたはずの二人が橋に向かって駆け出していた。展開を分かっていたのに完全に失念していた……!二人を追って走る。
『え、あっ、ちょっと、二人とも待って!!!』
「「今おたすけいたしまっ……」」
『アーーーッ!!』
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黒糖さまでーす - かすてらさん、わかります自分もニヤけてます。 (2023年3月5日 23時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま…子ども向けアニメなのにニヤけちゃう… (2020年9月5日 12時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 一般人Nさん» へへ、ありがとうございます。告白されたの初めてなので嬉しいです*˙˙* 雑渡さん出ます!話の順番的にもう少し後なんですがめちゃくちゃ出てくるお話があるのでそこまでお待ちいただければと思います……!> < (2020年2月24日 21時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
一般人N - 初コメ失礼します!大好きです付き合ってください!(( 個人的に雑渡さんが好きだから雑渡さん出してくれると嬉しいなぁ…なんて思ってます!できればで良いので、無視してもらっても構いません!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2020年2月24日 16時) (レス) id: 3767b6257a (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - リリイさん» コメントありがとうございます!本編ではファンタジー要素を入れる予定は無いので本編終了後、番外編などで書ければと思います。素敵なアイデアありがとうございます^ω^ (2020年2月24日 8時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年12月22日 23時