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仙蔵｢な、なんでお前たちが伊作の手伝いを！？｣

伊作｢いやあそれがさ、他の保健委員は新野先生のお手伝いで来られなくて。そしたら留三郎がしんベヱと喜三太を連れて行けってね。ハハハ｣

仙蔵｢ッ留三郎ォ！！余計なことを！！！｣



……なんだか土井先生の次に仙蔵の胃が心配になってきた。



︙



先頭を歩くしんベヱと喜三太。それに続く荷物を抱えた私と伊作と仙蔵。後ろからとてつもない不機嫌な気配を感じる。アニメなら絶対黒いオーラが出てるやつだ。

伊作の背中が心配だ。……滅多刺しにされてない？

凄い顔してますよ、なんて本人に言えるはずもなく。当事者のしんベヱと喜三太は楽しそうにずんずん進んでいく。仙蔵にゃ悪いけど何か企まれるよりは厳禁に備えて静かにしてもらってた方がモブ(・・)的には安心なのだ。



仙蔵｢〜〜いかんッ！｣

伊作｢！ ど、どうした仙蔵、急に｣

仙蔵｢え、あ、いやその……｣



今の様子だとモノローグでマイナスとマイナスでマイナスがいつもの二倍……とか考えていたんだろう。苦労してますね仙蔵さん。



仙蔵｢そ、そうだしんベヱ、喜三太。お前たちは先に帰ってもいいぞ｣

しんベヱ｢いえ！そんな訳には参りません！｣

喜三太｢食満先輩から命じられた仕事ですから！ぼくたちは最後までご一緒します！｣

伊作｢偉いね、二人とも。そうだ、ご褒美に途中で饅頭を買ってあげよう｣

｢｢わ〜い！やったあ！早く早く〜！｣｣



足取りが軽くなった二人はキャッキャとはしゃいで駆けていく。

……とてもいい後輩なんだよ、厳禁さえ無ければ。先に帰す作戦が失敗した仙蔵はとてもしょっぱい顔をしている。お気の毒に。

そもそも厳禁トリオってとても不思議な存在だと思う 。しんベヱと喜三太を直属の後輩としてもつ留三郎が二人と一緒にいても何も起こらないのに対して、仙蔵がこの二人と一緒にいる時だけ酷い目にあってしまう。こればかりは悲惨な運命としか言い様がない。なむなむ。

まあ厳禁トリオだけじゃなく伊作(とモブ)が居る間は爆発は起きないはずだし。……不運は起きるけど。なるべく負担かからないようにできるだけサポートしよう。



伊作｢さ、僕達も行こう。Aちゃんも饅頭がいい？それとも団子？｣

『あ、いえ……』

伊作｢そうだ。饅頭といえば留三郎が……｣

仙蔵｢……｣



何だか私は今すぐ仙蔵にお饅頭たくさん買ってあげたい気分だよ……。

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