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店主「はいどうぞ!」
兵助「ありがとうございます。……あれ、すみません。これは買ってなかったと思うんですけど」
「ああ、それは今男女でお越しのお客様にサービスしてるんです。商品としては売ってない限定品なんですよ!」
「『!』」
思わず兵助の方を見ればがっちりと目が合った。グルグルと回り続けていた歯車がガチリと止まる音がした。
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兵助「なるほど、限定品か」
『予想当たっちゃいましたね』
男女で来店すると特典としてもらえる限定品の甘味、中身は桜を象ったお饅頭らしい。
学園長ったらこれが欲しかったんなら元カノの如月さんや楓さんと行けばよかったのに……あ、でもペアだから三人だと貰えないのか。どちらか片方と行っても揉めそうだし、こうしてお使いさせるのが得策か……。
『……そういえば八つも買ったんですね』
課題で来ただけだから一つだけ買うのかと思いきや八つ。お腹すいてたりするのかな。
兵助「ああ。お土産として勘右衛門……五年生のみんなの分と木下先生の分、学園長の分と最後に俺とAの分」
『えっ、私の?』
兵助「ああ。付き合わせたお礼っていうか……でもこれで済ませる気は無いから、この前も言った通りお礼は何でもする」
そういえば協力することを承諾した瞬間"お礼ならなんでもする!"なんて言ってたっけ。あれ本気だったのか……
『そんなの気にしなくても……』
兵助「Aが気にしなくても俺が気にするの。さ、帰りながら食べてみよう」
彼は意外と強情らしい。
手渡された羊羹は綺麗な小豆色、月並みな表現だけど宝石のように輝いて見えた。食べてみるとその甘さが口いっぱいに広がった。
やはりこの時代の羊羹は蒸してあるようで、現代にあった羊羹と違ってつるんとはしていないけどほんのりと感じる甘みがなんとも言えない。
『ん〜……おいひ、』
兵助「……よかった」
勿体なくてちびちびと食べていたら最後の一口ってところで学園へ着き、門をくぐるのと同時に羊羹はなくなってしまった。とても美味しかっただけに少し残念だ。
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入門票へサインをした後は報告の為に木下先生のお部屋へ。結果は後日ということらしい。
お土産です、と羊羹を渡せばとても嬉しそうにしていた。
そして現在学園長へ報告する為庵へと訪れた。
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黒糖さまでーす - かすてらさん、わかります自分もニヤけてます。 (2023年3月5日 23時) (レス) @page50 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
かすてら - 忍たま…子ども向けアニメなのにニヤけちゃう… (2020年9月5日 12時) (レス) id: fce6735151 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 一般人Nさん» へへ、ありがとうございます。告白されたの初めてなので嬉しいです*˙˙* 雑渡さん出ます!話の順番的にもう少し後なんですがめちゃくちゃ出てくるお話があるのでそこまでお待ちいただければと思います……!> < (2020年2月24日 21時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
一般人N - 初コメ失礼します!大好きです付き合ってください!(( 個人的に雑渡さんが好きだから雑渡さん出してくれると嬉しいなぁ…なんて思ってます!できればで良いので、無視してもらっても構いません!更新楽しみにしてます、頑張ってください!! (2020年2月24日 16時) (レス) id: 3767b6257a (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - リリイさん» コメントありがとうございます!本編ではファンタジー要素を入れる予定は無いので本編終了後、番外編などで書ければと思います。素敵なアイデアありがとうございます^ω^ (2020年2月24日 8時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年12月22日 23時