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『いや、いやいやいや……』





待ってくれよ頼むから。

くのたまのまとめ役？そんな大層な役割担ってませんが？ハードル上げるのやめて貰えません？という訳で私は帰ります。先程の庄左ヱ門同様、回れ右をして戸の方を向いた。





彦四郎｢くのたまのまとめ役なんて、A先輩はすごい方なんですね！｣

『…………』





その言葉に振り向くと、彦四郎は見たことないほど目を輝かせていて





勘右衛門｢そうだぞ彦四郎。Aちゃんは凄い子なんだ｣

三郎｢話、聴きたいだろ？｣

彦四郎｢聴きたいです！！｣

『…………』






ニヤニヤしながら援護射撃をしてきた五年のせいで帰るわけには行かなくなったのです。勘のいい庄左ヱ門は｢うちのがすみません｣感を出しながら私を見上げていた。

そしてさっきからしれっと私の名前を呼んでいる尾浜勘右衛門、お前を許さん。また私の寿命が縮んじゃったじゃないか。







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『それでここは……』

庄左ヱ門｢……解けた！｣

彦四郎｢……出来ました！｣

『うん正解。二人とも凄いね、私ここ苦手だったのにすぐ解けてる』

彦四郎｢そ、そんなこと……A先輩の教え方がとても分かりやすくて｣

庄左ヱ門｢彦四郎の言う通りとても分かりやすいです。一年は組の補習に付き合って頂きたいくらいです｣

『ん〜ｶﾜｲｲ……勉強くらいいつでも教えるからね〜！』





照れながら頬をかく彦四郎と庄左ヱ門の頭をわしゃわしゃする。

引き止められてから約半刻、帰りたい欲全開だった私は可愛い後輩の虜になっていた。

最初はそういえば成績も優秀だとお聞きしました！だの根も葉もない噂を聞いていた彦四郎が質問攻めしてきたけど、庄左ヱ門の計らいのおかげでただの勉強会になった。ありがとう庄ちゃん、さすが良い子達のお父さん。





三郎｢……こらA、うちの子たちを持ち帰ろうとするんじゃないぞ｣

『失礼な。そんなこと………………しませんよ』

三郎｢おいなんだ今の間は｣





思ってましたゴメンナサイ。だって後輩可愛いんだもの〜〜！

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