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｢お〜〜い！｣



後ろから聞こえた声に首をぐりんと急回転させる。

きっと自己最高速度。若くてよかった、痛めちゃったら大変だからね。



『あ、』

伊作｢Aちゃーん！｣

『……せ"ん"はﾟい"ッ！！！！』



遠くから走ってきたのは先に帰ったはずの伊作。まさに救世主、背中に羽が見える。信じてたよ！！！バカって言ってごめんね！！！



仙蔵｢どうした｣

伊作｢いやあ、それが医務室前に患者が沢山いてさあ｣

『患者？』

伊作｢みんな小平太の打ったボールの被害者らしい｣

『うっわ』

仙蔵｢何をやっているんだあいつは……｣

伊作｢乱太郎たちはまだ新野先生の手伝いが終わってないみたいだし、僕一人じゃさばけないからAちゃんを返してもらえないかと思って……｣



その言葉を待っていました。



『──ということなので立花先輩、ここで失礼します』



回れ右をして仙蔵の方を向き、顔が良すぎるんだよこの野郎という思いも込めて渾身の笑顔で言ってやった。



仙蔵｢……は、｣

『行きましょう善法寺先輩。早く手当しないと』

伊作｢うん、急ごう。じゃあね仙蔵！｣

仙蔵｢おい、まだ話はおわt｣

『しんベヱと喜三太もまたね！』

｢｢はあ〜い！｣｣

仙蔵｢……｣



伊作の背を押して全力疾走。去り際、絶望した仙蔵の顔が視界に入った気がしたけど見なかったことにした。

ごめんね仙蔵。恨まないでね！私保健委員会だからさ！

……後日何かしら仕返しをされそうで怖い。しばらく部屋に引きこもりたいな。



医務室へ向かう途中、後方から焙烙火矢による爆発音が聞こえたのは言うまでもない。

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