【善法寺伊作】大切ななにか ページ8
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「──やあ、起きてたんだね。調子はどう?」
彼は毎日同じ時間にやってくる
「今日は天気がいいんだ。……ほら、綺麗な青空」
締め切っていたカーテンを勢いよく開けられて思わず目をすぼめた
「ああ、ごめん。眩しかったね」
申し訳なさそうに、且つおかしそうに笑った
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記憶喪失、
ふと目覚めたら病院のベッドにいて、主治医が呼ばれて、話を聞いて
その主治医に言われた
記憶喪失といえど家族のことは覚えているし、日常生活に支障もない
ただ、忘れてしまったのは
──君は事故にあって救急車で搬送されたんだ。どこに居て、何をしようとしていたか、覚えているかい?
──Aっ!ああよかった、意識が回復して。事故に巻き込まれたって、
……なにも、覚えていません
……あの、どなたですか?
事故当日の記憶だけは覚えていなくて、誰も知らなくて
──そうかい。とにかく生活に支障がなくてよかった。早く思い出せるといいね
──ぼ、くは……君の友人。医者を目指してる、ただの、友人だ
彼はなんだか悲しそうに笑った
「──今日は屋上へ行ってみよう。こんなに天気がいいんだ、きっと気持ちいいよ」
『……うん、』
あの日、私は何をしようと外を歩いていたのか
毎日ここへ来ては甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる彼は本当にただの友人なのか
そういえば、まだ名前を聞いていなかったな
彼の温もりを感じる度に、いつか嗅いだことのあるような気がする香りが鼻を掠める度に、
思い出さなくてはいけないような気がしている
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今日の忍たま夢
記憶喪失になる。ずっと傍について世話を焼いてくれるこの人は、誰なのだろう。名前は知らないのに、背中に触れる体温や鼻先を掠める香りには覚えがある気がした。
#今日の二人はなにしてる
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よる色 - いつも読んでます!どうしてこうなった鶴の恩返し これ好きです! 次の更新楽しみです! (2020年8月29日 13時) (レス) id: bfdde3bd29 (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - ☆夏☆さん» こんばんは コメントありがとうございます。毎回読んでくださるとのこと、嬉しく思います^ ^おしどり夫婦、書いている時には思いつきもしなかったのでとてもお上手だと思いました笑ご期待に添えるよう頑張ります!´▽` (2019年10月20日 0時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
☆夏☆(プロフ) - 毎度、更新なさる度にとても楽しく読ませて頂いています。鶴の恩返しを拝見して、「おしどり夫婦……鶴なのに!」と上手くないことを考えて一人で笑ってしまいました。更新頑張って下さい!長文失礼しました。 (2019年10月19日 21時) (レス) id: 4aad21ce78 (このIDを非表示/違反報告)
紫癸(プロフ) - 蒼葉碧さん» バッチリキャラ掴めてると思います!!六年生大好きなのでとても楽しませて貰いました!ありがとうございます!楽しみにしてます!!! (2019年10月1日 9時) (レス) id: 01ec9b707a (このIDを非表示/違反報告)
蒼葉碧(プロフ) - 紫癸さん» ありがとうございます〜!6い、6ろあたりを苦手としているのであまりキャラは掴めていない気もしますがそう言っていただけて嬉しいです!短編の続編は今まで考えたこと無かったけど楽しそうですね……!思いつき次第更新しようと思います……!( ´ω`*) (2019年10月1日 2時) (レス) id: 63148b8798 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼葉碧 | 作成日時:2019年9月3日 7時