【忍たま短編２】

【鉢屋三郎】アメ。【side庄左ヱ門】 ページ3

基本的にお菓子は他人に配ってしまう性格だけど、お気に入りの飴だけはお互いにしか渡さない忍たま夢
#恋ともつかない shindanmaker.com/736744

相手は鉢屋だけど喋るのは第三者の庄ちゃんとその他

━━━━━━━━━━━━━━━





｢──あっ、Aせんぱーい！｣




『おや、珍しいね。高等部へ来るなんて』









私立大川学園は小等部、中等部、高等部が同じ敷地内にある超マンモス校だ





学園内では全等部での行事もあるため、人数は多けれど顔見知りの先輩や後輩が結構居たりする





たった今、中等部一年である僕らが高等部の校舎で鉢合わせたのは高等部二年のA先輩

知る人ぞ知る優しい人だ









｢今日はこっちで委員会なんです！｣


『そっか、わざわざご苦労さま。あ、お菓子いる？』


｢わあ、欲しいです！｣


｢A先輩のお菓子だー！｣


『ふふ、私が作ったわけじゃないよ』









制服のポケットを漁り始める





先輩はいつもポケットに多量のお菓子を詰めている

自分で食べるために買っているのに、誰かに会うとあげたくなるんだとか









『うーんと…………これじゃなくて、』









一瞬先輩が取り出した飴のパッケージには見覚えがあった





あれは、確か自分の所属する委員会の先輩がよく持っているものと同じだ





そう言えば、この先輩とあの先輩は同じクラスだと聞いたことがあるような気がする









『好きなのどうぞ』


｢わーい！｣


｢ありがとうございます！｣


『いいえ〜。はい、黒木くんもどうぞ』


｢……すみません、ありがとうございます｣


『いえいえ』









自分は弟しかいないから姉がいたらこんな感じなのだろうかと、先輩に会う度に思う









『──あら、そろそろ委員会の時間じゃない？』


｢あっ大変だ！｣


｢怒られちゃう！｣









そう言われると一緒にお菓子を貰った同級生たちは足早に各教室へ向かっていく









｢A先輩｣


『ん？』


｢さっきの飴、先輩も食べられるんですね｣


『……アメ？』









先輩は飴が入ったポケットを上から軽く押えた

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す