あらしの夜に 〜Kaito.n〜

あらし16 ページ16

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ここ最近、うみくんは忙しそうにしている。

毎日夜遅く、たまにはバイト終わりの私よりも遅く帰ってくるようになった。


でも疲れている、というよりは毎日イキイキしててとても楽しそうで。








「ただいまー」

『……』

「寝てる…」

『(ZZZ……)』





今日は珍しく補講があって、6限まで終えて学校から帰ると、うみくんはカバンやキャップを身につけたまま床にうつ伏せ寝ていた。

どうやら帰ってきたままその場に倒れこむようにして寝たみたい。





こんなになるまで、毎日何してるんだろう。
毎日レッスン？怪我は完治してないのに？

そもそも この怪我が治ったら、うみくんはうちを出て行くんだよね…？





子供みたいな寝顔を眺めながら考えていたら、ちょっと苦しくなった。





え、なんで苦しいの…。
この苦しみは…あれだ。
また一人暮らしに戻っちゃうのが寂しいんだ。そうそう。





とりあえず言い聞かせる。

だけど、実際うみくんがいる生活は私の中にも この家にも馴染み始めていて。



たとえば、今までお客さん用だったお箸やお茶碗はなんとなくうみくん専用になりつつあるし、

食後のデザートもちゃんと二人分買ってくるのが当たり前になった。





まって。これって、同居？居候？
ルームシェア、はなんか違うし…。

私たちって、どういう関係性なの…？

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