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4話 記憶 ページ4

「それにしても、部屋にあるっていうことは私の記憶に関わるものがあるってこと……だよな?」


阿鳥さんの言っていたことが正しければ、そういうことになる。

「ええーい!前の私よ!平凡な少女であれーーーい!」

そう言って電源を入れてみる。

ポチッ、ポチポチ……


「ん、んんー?」

どうやら充電が切れているようだ。なんということでしょう。どうやらわたしは充電もろくにしないだらしない人間だったようです。

いやそんなことよりとりあえず充電器探さないと……。

なんて思って探し始めたのだが……。

「みつからないんですけどぉぉ!?って言うかなんか数ヶ所謎解きゲームに出てくるようなロックかかってる棚とかあるのなんなのーー!!?」

そう。なかなか見つからないのだ。何故なら、部屋がとっ散らかってるから。どんだけだよ清潔に保てよ私。記憶をなくした私が悲しんでるぞこの野郎。

……。なんか自分に向かって怒るとか新鮮だわぁ……。いやそんなことより充電器だよ充電器。


「ホテルで借りること出来ないのかな〜??」

ちょっと阿鳥さんに聞いてみようか……。
そう思って部屋を出ようとしたその瞬間。


ピロリン。

自分の手元から音と振動が伝わってきた。
よくよく見るとどうやら携帯の充電が付いたようだ。


「おおお、付いた!何でかわかんないけど付いた!」

しばらく経つと、ホーム画面が現れる。見慣れたような初めて見るようなそんな感じのホーム画面だ。

携帯が付いたということであれば、きっとプロフィールを見れば名前とか住所入ってるだろう。いや名前は何故か知らないけど覚えていたからそれ以外の事なのだが。


「あれ?反応がない……」

何故か何度も設定ボタンを押しても反応しないのだ。ええいこういう時はやけくそに色んなところをタップしてやるぅぅ!
なんて馬鹿なことを考えていたのが正解だったのか……。


急に音楽が流れだし、「誰ソ彼ホテル」という少女の声が聞こえた。


「ん?これ、どこかで……。というかこれ阿鳥さんと支配人??んー、何処で……。あ、あーーー!!」


思い出した。どういった経緯で来たかは覚えていないけれど、それ以外。
要芽A、16歳。誰ソ彼ホテル、というかSEEC会社を愛し、SEEC会社と共に生きてきた女(笑)!

「あれ、でもということは私……。もしかしてトリップした感じですか??」

要芽A、追加情報。どうやらトリップしてしまったようです。

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作者名:依月 | 作成日時:2018年2月17日 22時

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