第１３２話 ページ22
かすれた声しか出ない。苦しい。
助けて…辛い…辛い……モトキ……ｯ
モトキ…！
俺がそう必死に彼の名を呼んでいると、部屋の扉が開いた。
モ「マサイ、大丈夫!?」
来てくれた……
すぐ隣の部屋にいたというのに、モトキが来てくれて安心する。
それでも、息の苦しさは続いた。
マ「ｯ…はぁ…はぁ…もと、き…たすけ……」
モ「マサイ…」
背中をさすってもらう。
モ「…最近、ためこんでたもんな……どんな時も俺の前で泣かないでさ……」
モ「話…聞くよ。」
そうだ、そうだ。俺はここ最近無理をしていた。
そういうのをモトキは、いつでもわかってくれている。
…強くなりたかったんだ。辛いことがあっても、いちいち挫けないでいようとしたんだ。
でも…無理だった。今溢れ出てきてしまった。
俺には強くなるなんて、もう無理なのかもしれない。
気付けばだらだらと吐き出すように俺は話し出していた。
マ「はぁっ……だ、駄目なんだ……俺は……男なんだ……白鳥が好きな一人の…男なんだ……ｯなのに……こんなに、こんなに弱…いんだ……こんな弱い男と結ばれたって……白鳥…は、幸せになれるはずがない……「君を絶対幸せにする」……なんて、本当…は、言えないんだ……」
モトキが来てくれたおかげで、だいぶ声が出る。
でも、涙は収まらなかった。
マ「俺はきっと、シルクに勝てない……いつか白鳥はシルクか他の誰かのものになる……ｯこんな弱い自分じゃ、白鳥の幼馴染に勝てるわけない……実際、シルクと結ばれるのが1番白鳥にとって安全なんだ……」
冷たい滴が自分の膝に落ちた。
マサイ「そう……わかってるのに……い、嫌だ……絶対に嫌だ……入学式の時、から、ずっと好きで好きで、仕方が無いんだ……ダメだと…わ、わかってるのに、諦められないんだ……どうしても……ｯ」
モ「そっか……
＿＿わかるよ…ｯ」
そう言って優しく抱き締めてくれる。
あぁ、俺にはもう…もっきゅんしか居ないのだろうか。
マ「あ“ぁぅ……ぅ、ぅあ“……あ“ぁぁ……ｯ」ｸﾞｽｯ
泣き崩れた。声も出なくなった。
もう、辛い。手に入るかをわからないものに必死になるのは。
もう、終わりにしたい＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
モトキside
マサイ、マサイ。
お前の気持ち、わかる。痛いほどにわかるんだ。
お前の辛さは、俺が1番知っている。
お前の弱さは、俺が1番知っている。
昔からずっと一緒だろ。…なぁ、俺ら＿＿
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魚民のうずら(プロフ) - 甘党美咲@ウオタミさん» ｳｵｵｵｵ嬉しい限りです（泣）お気に入り登録もありがとうございます……！はい！ゆっくりですが頑張らせて頂きます！！ (2020年10月27日 21時) (
レス) id: ccae57f635 (このIDを非表示/違反報告)
甘党美咲@ウオタミ(プロフ) - 初コメ失礼致します！１からここまで全部読みました！めっちゃ面白くてカオス過ぎて笑い転げましたw更新頑張って下さい！ (2020年10月27日 20時) (レス) id: 211bf6e46f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚民のうずら x他1人 | 作成日時：2020年5月21日 13時
