第１０６話 ページ9
〈ﾗｲﾝ♪〉
A ｢あら？誰かしら…｣
右手でぽっけからスマホを取り出して電源をつけると…
A ｢モトキ先生…｣
シ ｢ﾋﾟｸｯ…なんだとぉ？｣
A ｢今日はありがとう…だって、楽しかったからいいけど…あれ？まただ、今度はマサイ先生かい…え〜あ!!返せッ！｣
シ ｢何で俺がいるのに…没収ー｣
A ｢酷いぞ！おしるこ！｣
シ ｢あ〜そう言ったら返さないよ〜？｣
意地悪…
A ｢ごめんてばーかえしてぇー｣
シ ｢嫌だ〜じゃあ〜お仕置き〜〜｣ﾆﾔﾆﾔ
A ｢嫌に決まってんでしょ？｣
シ ｢昨日…マサイに…｣
＿ﾎﾞｽｯ
肩を押されて…床ドンみたいになってる
シ ｢押し倒されて…顔真っ赤にしてたでしょ？そんな顔…俺以外に見せるなんて…｣
シ ｢Aは悪い子なんだろ？｣
A ｢え…ぁ…｣
いつものシルクじゃない…
A ｢てか、押し倒すな！｣
シ ｢その悪い口…塞いでやる…｣
ゆっくり近づいてくる
反射的に、目を瞑ったが。
何もしてこなかった
目を開けると…
シ ｢なぁーんてな？｣ﾆﾔﾆﾔ
A ｢はぁ!?バッカじゃないの！///｣
起き上がって…寝室に逃げ込む
なに…期待してんの…
馬鹿馬鹿しい…
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
シルクside
シ ｢今のは…やり過ぎたか…はは…バカか...｣
ソファーに座りこんで左腕を額に置いて…天井を見つめる
シ ｢我慢できない嫉妬は辛いもんだな…｣
Aが置いていったスマホを見つめ、ため息をついた
シ ｢何で…俺は…｣
真面目に、告ろうと思っても…恐怖が勝つんだ
この手で＿＿Aを奪い去りたい…
何も出来ない自分に腹がたつし、Aが悲しむ顔も見たくない。
シ ｢今すぐに俺のものになれば…こんな気持ちも消えるのだろうか…｣
どうすればいいんだ…
なにをすれば…正解なんだ
呟く俺の声は誰もいない部屋に響くだけだった
シ ｢昔は…俺だけに向けてくれた笑顔だったのに…俺だけが…Aを守る事が出来ると思っていたのに…簡単に、離れていくんだ｣
心に余裕が出来なくなり…終いに、頬を冷たいナニかが伝った
顔をしかめれば、余計涙が溢れる
彼女に聞こえないように、声を押し殺すだけで精一杯なのに…心も苦しがる痛みがあった
俺は彼女のスマホを握りしめ…腕で目を隠し一人泣いた
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作者名：魚民のうずら x他1人 | 作成日時：2020年5月15日 21時
