2_月 ページ2
“あぁ死ぬ,今日が私の命日だ_”
向けられた刃に抵抗もせず,ただ己の死をうけいれるようにゆっくりと目を閉じる。
「お前何してんだ!!」
その声と同時に金属と金属がぶつかり合うような音がする。
何事かと思って閉じていた目を開けると
私に向けられた殺意の刃を一人の男が刀で受け止めていた。
茶髪に,緑の着物。顔は見えないから誰なのかが分からない。
たすけて、くれた?__
でもごめんなさい,
誰かもわからないあなたを巻き込んでしまって,
私のことをおってきているのは1人じゃないの。
しげみの中から新たな追い手が3人もやってくる,
3人とも私に殺意のこもった刃をかまえて,切りかかってくる。
たすけてくれようとしてくれてありがとう__
次こそ,ダメだと思って目を閉じると
茶髪の助けてくれた男が叫ぶ。
「おせーぞ!!お前ら!!」
その声の直後,私に切りかかってたはずの
追い手達が次々に倒れていく。
「人使い荒いんやて,うらさんてば_」
と,赤色の髪の男が言う。
“うらさん”って茶髪の彼のことだろうか…
「うるせー,まぁとにかくあと何人か敵が来てもおかしくない,とりあえず帰るぞ,」
「「「了解」」」
茶髪の彼はそう言うと,目の前にいた追い手を
一瞬にして倒した。
それから赤,黄色,紫の3人の男が声を揃えて答える。
「ほな行きますか…」
そう言うと黄色の男はとんっと軽く地面をけった。
すると物凄い距離を飛躍し,どこかへ消えていった。
それに続けて赤と紫も飛んで消えていく。
残された茶髪の男が私の方に手を差し出す。
「はやく,掴まれ」
その手を掴めばぐいっと引き寄せられ
茶髪の男に抱き抱えられる。
いわゆる“お姫様抱っこ”
こんな状況で恥ずかしがってるばわいじゃないことぐらいわかってるんだけど…恥ずかしい…/////
「それじゃ振り落とされんなよ」
と言い,茶髪の男が地面を蹴る。
『うわぁぁぁぁぁ!!』
思ったより勢いが良くて悲鳴をあげてしまう。
月が見える,綺麗だな…
こんなに月が綺麗に見えたのは初めてだ。
ふと茶髪の男の方を見ると目が合い
にやりと茶髪の男が微笑む。
彼の笑顔は月の光と重なって更に輝いて見えた___
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作者名:だいこん | 作成日時:2020年3月23日 21時