【降谷零】私、その顔には弱いんです。【安室透】

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…朝起きて顔を洗う時に鏡を見ると、隈が出来ていた。
本当に最悪だ、こんな見苦しい姿で出勤したくはないが、コンシーラー等で隠そうにもあまり上手く隠れなかった。
しょうがない…と朝食を終えてスーツに着替え、誰もいない部屋に向かって行ってきます、と言い残して家を出た。


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朝一で出勤したので私が一番かと思っていたが、そこには険しい顔をしてパソコンと向き合っている降谷さんがいた。



『おはようございます』

「おはよう、早いな。」

『そんな事ないです、降谷さんの方が早いじゃないですか』

「あぁ、少し仕事が溜まっていたからな」



と、何一つ顔色を変えずに話す降谷さん。
昨日の事があったというのに、これはどうしたものか。
…まあいい、いずれハッキリとする事であろう。



『手伝いますよ』

「…悪いな。」

『とんでもないです、どれですか？』



そんなに溜まっているのか、と降谷さんのパソコンを覗き込むと、それはもうかなりの量の資料が画面に映っていた。
どの辺が少しなのか。



『…降谷さん、溜めすぎです』

「今日は帰りが遅くなりそうだ」



苦い顔を浮かべる降谷さんを少しばかり不憫に思い、手伝いますよと言って返した。



「……すまない」

『いえ、私は降谷さんをサポートするのが仕事ですから』



こんなに仕事が溜まっているなんて、きっとポアロや組織の仕事で忙しかったんだろうな、と推測する。
全く、困った上司だ。

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