【降谷零】私、その顔には弱いんです。【安室透】

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あの後、朝から豪華な食事をご馳走になり、お礼を言って降谷さんの家を後にした。
まあ、この後きっと会うことになるんだろうけど。
先程メールを確認したら、昨夜、今日バーボンと対面するようにとジンからの命令があった。


あの冷徹男の命令に従うなんて事、出来ればしたくないが。
…まあ従っておくのが身の為であろう。



降谷さんとあんな事があった後にグレーンとしてバーボンに会わなければならないなんて、本当に地獄でしかない。
これは一体何の仕打ちなのか。



時間が無かった為、急いで帰宅し、変装をした。
この変装は本当に怠れない。
……それに、この降谷さんのキスマーク。
これがバレれば本当に終わってしまう。
念には念を、と、一応気合でカバーし、キスマークが見えないような服を着た。




指定されたビルへ行くと、そこには既に一人の男が立っていた。
＿＿バーボンだ。
敵ではないと分かってはいるが、ここで下手に動くと危ない




コツ、コツと私が歩く度にヒールの音がする。
物静かなビルに響く音色。
緊張感が増す。



その音に気付いたのであろう、顔を上げるバーボン。
彼は私の姿を確認すると不気味に微笑んだ。






「……貴方がグレーンですか。

初めまして…バーボン……
これが僕のコードネームです…」

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