【降谷零】私、その顔には弱いんです。【安室透】

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『ん……んぁ………』

「…は……A…………」



今まで降谷さんには苗字で呼ばれていた為、いきなり名前で呼ばれた事に驚いた。



もう本当に駄目、そう思ったのが表情にも表れていたのか、胸元から顔を上げた降谷さんが見えた。



「……悪かった、いきなりこんな事。

でもそんな顔をされると自制が効かなくなるんだ、」



そんな顔と言うのはどんな顔だ、と不思議に見つめていると、そのとろけた様な顔だ、と指摘された。
……そんなの私だって今の降谷さんの顔を見ていると、女とは言え今は薬が入っているんだから止まらなくなるのに、と思った。



「……それよりお前、かなり火照っているが大丈夫なのか」

『だいじょぶ、です』



正直これは降谷さんのせいでもあると思う。
……この顔であんなキス、女であれば誰だって顔が赤くなるだろう。



「よし、今日はもう切り上げろ。
色々と疲れただろ、送ってやるから」

『……や、いい、です』



…さっきからまともに話せていない。
どうやら私の状態はかなりヤバいらしい。






あんな男に盛られるなんて馬鹿だなあ、ほんとこれでよく公安が務まるわ、と自己嫌悪に浸っている所で意識が途切れた。

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