【降谷零】私、その顔には弱いんです。【安室透】

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「すまない、遅くなった」

『…………え、』



……降谷さんだ。
気のせいなんかじゃない。
降谷さんだ＿＿



『遅い…です』

「……すまなかった」



嬉しい、まさか本当に来てくれるなんて。
なんだお前、と男が降谷さんに殴り掛かろうとするもいとも簡単に押さえつけられ、気が付けば男は制圧されていた。
それから何名か公安の者が出てきて、その男は連行されたようだ



………周りの公安の男の口から、"あいつブラ見えてんぞ"とか、"うわ、興奮する"とか色々聞こえてくるけど。
しょうがないじゃないか。
そんな事より立てないんだからどうにかしてよ、と思っていると体がふわりと宙に浮いた。



「ここは人目に付く。奥行くぞ」



＿＿これは世に言うお姫様抱っこ、ですか？？
また降谷さんは私を助けてくれた。
………薬のせいかな？
何だか今日は降谷さんがカッコよく見えるよ、



体を下ろされると、少し怒った顔の降谷さんが見えた。
……そうだよね、そりゃあ怒るよね、
こんな事をしでかしたんだから当然だ



『すみません降谷さん。
一応証拠写真は抑えてもらえたんでしょうけど…、最後の最後に失敗しちゃいました。
また迷惑掛けてしまってすみませ＿＿＿んぅ、』



すみません、そう言い切る前に口を塞がれた。
唇の生暖かい感触に驚いて目を見開くと、目の前には降谷さんの顔があった。
もうこんなの近いどころじゃない。距離感ゼロ。





"今、降谷さんにキスをされている"





頭が思うように回らない為であろうか。
この状況を理解するのにはかなり時間がかかった。

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