【降谷零】私、その顔には弱いんです。【安室透】 (ページ30)

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ちょっと待ってよ、何こいつ私の胸元に顔埋めてんの？？
荒い吐息が私の肌にかかる。

「お嬢ちゃん、綺麗な体してるね

………ほら、もっと見せてよ。口、開けて」

『こ、困ります…………っん、？』

胸元を舐め回されるのが気持ち悪くて抵抗しようかと口を開いた瞬間、小さな粒が口に入ってきた。
それが何かも分からず反射的に飲み込む私。

まさか、薬……じゃ、ないよね、？

そんな事を考える余裕もなく、男の手が私の下着に侵入してくる

『っ、はっ……』

「あれ？どうしたのかな？？」

男が不気味に笑う。
あれ、何だか身体が熱い＿＿＿

っ……コイツ。
さっき飲まされたのはやはり薬だった。
それも、かなりキツいやつを盛られたみたいで。

『いたっ………！
は……何すんのよ！！』

「ちょ、お姉ちゃ…………ｶﾊｯ」

1発蹴りを入れてやった。
いつまでもこんな事されて猫被ってる訳ないでしょう？
ってか、キスマ付けられて黙ってる女が何処にいるんだ。
何より、今抵抗してもあまり歯が立たないのが本当にキツい。
動きも段々鈍くなってきている気がする。

『ふ、るやさ………』

早く助けに来てよ……
まあ、電話やメールをする為に携帯を使う暇なんて無いから気付かないのも当たり前、なのかな。

……これ、早めに手を打っとかないとヤバいな。
そう思ってもう一度蹴りを入れようかと構えたが、足がガクガクして上手く立てない。
本格的にやばいな、と思っていると、さっきの威勢はどうしたのかな？と男が煽ってくる。
あー、まじで殴りたい。
不覚だったな、まさか薬を飲まされるなんて。

「それでよく公安が務まるな。」

ああ、本当にその通りです、
あまりにしんどすぎて、心做しか降谷さんの声が聞こえた。